Key Point
高齢者の「選ぶ力」を支える説明・意思決定サポート
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Key Point
「選ばされる」ではなく「選べる」施設へ。
高齢者の意思決定を支える説明と関わり方を解説します。

“施設に入る”は、人生の主導権をどう持つかという選択

高齢者にとって、介護施設への入居は住環境の変化だけでなく、自己決定の尊厳に関わる重要な出来事です。
だからこそ、本人が納得して「ここにしたい」と思えるプロセスを整えることが、信頼形成と長期満足に直結します。

高齢者の「選ぶ力」を支える説明・接遇設計のポイント

01.“情報提供”ではなく“情報の受け止め”を重視する
・パンフレットや制度の説明だけでは不十分
・本人が「理解できた」「納得できた」と思えるペースと表現で説明する

02.一方向でなく“対話形式”で理解を深める
・「何か気になることはありますか?」ではなく、「この点についてはどう感じましたか?」という聞き方にする
・説明中に感情の動きを読み取り、共感を挟むことで、信頼関係が深まる

03.本人の“選択の軸”を一緒に整理する
・「何を大事にしたいか」「どこが不安か」を一緒に言語化することで、自分に合った選択肢が明確に
・家族の意見と食い違う場合も、本人の想いに耳を傾ける姿勢が重要

04.意思決定に“時間の余白”を設ける
・即答を求めず、1~2日間考えてもらう時間を持つことで、後悔や不信感を防げる
・繰り返し相談できる雰囲気をつくることが“選ぶ力”の支えになる

よくある対応ミスと改善点

・情報量が多すぎて、本人が混乱してしまう
→ 一度にすべて説明せず、重要度を分けて伝える

・家族だけに説明が偏ってしまい、本人が疎外感を感じる
→ 本人に対しても、わかりやすい言葉で丁寧に語りかける

・選択肢が実質的に一つしか提示されていない
→ A案・B案・C案と、違いが分かる選択肢を明確に説明する

まとめ:「選ぶ力」は、その人の“人生を尊重する姿勢”から生まれる

高齢者にとって、「自分で選んだ」と思えることは、自立や尊厳を支える重要な体験です。
施設がその意思決定を丁寧に支援することで、入居後の満足度や関係性も大きく変わってきます。
“選ばれる施設”ではなく、“選べる体験を提供する施設”へ。
その姿勢が、介護の本質的なホスピタリティにつながります。

この記事の監修

ブランディング・ディレクター 豊田 善久
1979年生まれ、東京都出身。学校卒業後、印刷会社で現場を経験。広告代理店勤務を経てブランディング会社であるパドルデザインカンパニー勤務。病院、クリニック、介護施設、訪問サービスなど、医療・介護業界のホームページ制作やパンフレット、リーフレット、動画制作などに多数携わる。あらゆる業種・業界への企画提案経験をもとにお役立ち情報を発信しています。

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パドルデザインカンパニーは、5職種で編成されたブランディングカンパニー。ブランドコンサルティングとデザイン会社の両側面を持ち合わせ、クライアントの課題に実直に向き合います。南青山に構える本社を主な拠点に、東京・神奈川・千葉・埼玉の13件を中心に、北海道から沖縄まで全国対応可能です。