“施設の外”にこそ、学びの種がある
介護・医療業界は、日々の業務が専門的かつ多忙で、どうしても“内向き”になりやすい領域です。その中であえて「施設の外」に出て、他業種の現場や考え方に触れることは、視野を広げ、気づきを得る貴重な機会になります。
日常業務の改善ヒント、理念の再発見、スタッフのモチベーション向上など、外との接点は組織にとって“新しい空気”を運んでくれる存在です。
本記事では、実際の取り組みや効果を交えながら、「施設外学び」のすすめ方をご紹介します。
他業種とつながる“学び方”のバリエーション
01.他業種の施設・企業見学に出かける
・ホテル、飲食、保育、鉄道など、「ホスピタリティ」や「動線設計」に長けた業種は多い
・利用者対応や空間づくり、接客マインドに新たな視点を得られる
・小グループ制で実施すれば、職員同士の交流の場にもなる
02.異業種イベントや勉強会に参加する
・地域の経営者交流会、ビジネスワークショップ、デザイン系イベントなどに顔を出してみる
・「介護業界ではこう考える」「私たちの現場ではこうしている」と伝えることで、逆に理念が深まることも
・施設の代表として発言する経験は、広報人材の育成にもつながる
03.他業種のプロを“施設に招く”という方法も
・空間デザイナー、接客トレーナー、福祉以外の現場経験者をゲスト講師に迎える
・「業界外から見た施設の印象」を知ることで、自己認識のアップデートに
・オンライン開催でも可能なため、規模やエリアに関係なく取り入れられる
他業種との接点が、組織にもたらす変化
・スタッフの視野が広がり、自発性が高まる
→ 他業種の工夫や姿勢に刺激を受け、「自分も何かやってみたい」という声が生まれやすくなる
・“自施設らしさ”への再認識が生まれる
→ 他と比べることで、普段見逃していた強みやこだわりに気づきやすくなる
・理念やサービスを“翻訳して語れる力”が育つ
→ 異なる業界の人に説明する機会は、理念や姿勢を言語化する練習にもなり、採用・広報にも好影響
よくある壁と、その乗り越え方
・「忙しくて外に出る時間がない」
→ 小規模・短時間・オンラインの学びから始める。1回15分の“昼学び”も有効
・「何を見に行けばいいのかわからない」
→ 他業種に共通する“人への接し方”や“空間の使い方”に注目すると気づきが多い
・「外に出たあとに活かせていない」
→ 学んだことをチームで共有する機会を設け、次のアクションへつなげる場づくりを意識する
まとめ:“学びに出る姿勢”が、施設の風通しをよくする
他業種との対話や見学は、「特別な研修」ではなく、日常に組み込める学びの一つです。
外の世界を見ることで、これまで見えていなかった自分たちの価値や、伸ばせる可能性にも気づけるようになります。
柔らかく、開かれた施設文化をつくるために――今こそ“外に出てみる”第一歩を踏み出しましょう。
この記事の監修
ブランディング・ディレクター 豊田 善久
1979年生まれ、東京都出身。学校卒業後、印刷会社で現場を経験。広告代理店勤務を経てブランディング会社であるパドルデザインカンパニー勤務。病院、クリニック、介護施設、訪問サービスなど、医療・介護業界のホームページ制作やパンフレット、リーフレット、動画制作などに多数携わる。あらゆる業種・業界への企画提案経験をもとにお役立ち情報を発信しています。
東京港区のブランディングカンパニー
パドルデザインカンパニーは、5職種で編成されたブランディングカンパニー。ブランドコンサルティングとデザイン会社の両側面を持ち合わせ、クライアントの課題に実直に向き合います。南青山に構える本社を主な拠点に、東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3件を中心に、北海道から沖縄まで全国対応可能です。