Key Point
「災害に強い病院」は地域の信頼を得る|ブランディング視点の防災とは
ホーム成功の秘訣「災害に強い病院」は地域の信頼を得る|ブランディング視点の防災とは
Key Point
非常時の対応力が“信頼”になる
災害への備えは、ブランド構築そのもの

“平時”の備えが、“非常時”の信頼をつくる

地震、台風、豪雨――医療機関にとって、災害は避けられないリスクの一つです。しかし近年では、単に診療を継続できる体制を整えるだけでなく、「災害に強い病院」という姿勢そのものが、地域からの信頼や支持に直結する要素となっています。
広報や採用、行政・地域との連携においても、「有事の対応力」はそのままブランドの強さに変わります。

本記事では、防災対策をブランディング視点で捉え直し、「選ばれる医療機関」になるための新たな備え方を考えます。

災害対策を“ブランディング”に活かす考え方

01.災害への対応力は“信頼資産”になる
・「あの病院は災害時でも動いていた」という記憶は、住民にとって強い印象となる
・平時からの備えや訓練を可視化・共有しておくことで、安心材料として機能する
・採用・定着においても、「安心して働ける病院」であるかどうかは重要な判断軸

02.“患者視点”で見直す災害対策が信頼を生む
・医療設備だけでなく、「情報は届くか」「避難時に不安はないか」など利用者の不安に着目
・高齢者、障害者、妊産婦など、災害時に弱さを抱える人への配慮がブランド力につながる
・災害時マニュアルの内容だけでなく、「伝わり方」「伝える人」にも目を向ける

03.広報と一体化させた災害対策が“差”をつくる
・訓練の様子や災害対応方針をSNSやWebサイトで発信することで、地域に向けたメッセージになる
・メディアや行政との連携を事前に設計しておくと、有事の対応力が外部評価にもつながる
・「防災×理念」のメッセージを言語化しておくことで、一貫した信頼の構築が可能に

災害対応をブランディングに活かす具体的アクション

・BCP(業務継続計画)を「見える化」し、職員に共有する
→ PDF配布だけでなく、ワークショップ形式や図解マニュアルで理解を促進

防災訓練に「患者目線のシナリオ」を取り入れる
→ 実際に患者役・職員役を入れ替えるロールプレイで視点の転換を図る

Webサイトに「災害対策ページ」を設置する
→ 備蓄・避難経路・災害時診療体制など、可視化された備えが安心感に直結

災害対応の実績をストーリーとして発信する
→ 過去の災害時の対応事例を広報資料や採用コンテンツに活用

災害対応のよくある課題と改善のヒント

・「防災対策は整えているが、対外的に伝えていない」
→ 体制整備だけで満足せず、住民や求職者に向けた発信を意識する

・「マニュアルはあるが、スタッフの意識に差がある」
→ 理念とつなげた防災教育の実施や、現場主導の訓練設計で実感を育てる

・「災害時の広報が場当たり的になってしまう」
→ 平時からの広報体制設計(テンプレ・連絡ルート・発信者の明確化)が必要

まとめ:“災害対応力”は、医療ブランドの本質になる

非常時にこそ、その病院の本質が問われます。
災害に備えるという行為は、単なるリスク管理ではなく、職員・患者・地域からの信頼を高める“ブランド構築”の一環です。
平時のうちに「安心」をつくり、「行動で理念を示す」備えがある病院は、非常時にも“選ばれる存在”となるでしょう。

この記事の監修

ブランディング・ディレクター 豊田 善久
1979年生まれ、東京都出身。学校卒業後、印刷会社で現場を経験。広告代理店勤務を経てブランディング会社であるパドルデザインカンパニー勤務。病院、クリニック、介護施設、訪問サービスなど、医療・介護業界のホームページ制作やパンフレット、リーフレット、動画制作などに多数携わる。あらゆる業種・業界への企画提案経験をもとにお役立ち情報を発信しています。

東京港区のブランディングカンパニー

パドルデザインカンパニーは、5職種で編成されたブランディングカンパニー。ブランドコンサルティングとデザイン会社の両側面を持ち合わせ、クライアントの課題に実直に向き合います。南青山に構える本社を主な拠点に、東京・神奈川・千葉・埼玉の13件を中心に、北海道から沖縄まで全国対応可能です。