Key Point
“入居者だけを見ていればいい”時代は終わった|家族支援が施設価値を高める理由
ホーム成功の秘訣“入居者だけを見ていればいい”時代は終わった|家族支援が施設価値を高める理由
Key Point
家族も“支援の対象”にする時代へ。
家族対応は、信頼と選ばれる理由につながる。

家族との関係性が、施設の“見えない価値”を左右する

介護施設は、入居者に対して適切なケアを提供する場ですが、その価値は入居者本人に対してだけで完結するものではありません。
入居を決めるとき、不安を抱えるのは多くの場合ご家族です。そして日々のケアを見守り、時に相談をし、最後に「ここでよかった」と感じるのも家族です。

だからこそ、家族との関係性をどう築くかが、介護施設にとって“信頼と選ばれる力”を左右する重要なポイントとなります。

“家族支援”がブランディングに直結する3つの理由

01.入居を決めるのは「本人」ではなく「家族」
・要介護状態では、施設を選び契約するのはほとんどがご家族
・「職員の対応が丁寧だった」「説明がわかりやすかった」といった“印象”が大きく影響
・情報提供だけでなく、「安心感」と「信頼感」をどう届けるかが差別化ポイントに

02.日々のケアが“見えない不安”を生むからこそ、支援が必要
・入居者の様子を直接見られない状況では、「元気に過ごしているか?」「本当に大事にされているか?」と家族は不安を抱く
・その不安に寄り添い、情報共有や相談の場を用意することで、「任せてよかった」が生まれる
・対応の質は、紹介・口コミ・再利用(ショート→ロングなど)にも直結

03.“家族対応の姿勢”が、施設の文化を映し出す
・「忙しい中でも丁寧に答えてくれた」「スタッフの言葉がやさしかった」
→ こうしたエピソードが、施設の“人間らしさ”“あたたかさ”を伝える何よりのブランディング材料に
・一方で、家族対応のトラブルはクレームや信頼低下につながりやすく、対応品質が問われる領域でもある

家族支援を“施設価値”に変えるための視点

“説明”ではなく“共感”を意識したコミュニケーションに
→ 「理解してもらう」ではなく、「一緒に考えてくれる」と思われる関係性を目指す

日常の共有が“安心”と“応援”を生む
→ 日々の小さな様子を伝える手紙や写真、デジタルツールの活用が、信頼の種になる

家族支援を“戦略的に育てる文化”として捉える
→ ただの対応ではなく、「うちらしさを届ける接点」として設計・記録・改善していく

家族支援のよくある課題と改善ヒント

・「家族対応が“業務の負担”になっている」
→ 担当者を固定するのではなく、仕組み化(記録・共有・役割分担)でチームで対応できる体制に

・「ご家族にクレームを言われがち」
→ 不満の背景には“不安”がある。定期的な情報提供と“相談しやすい空気”をつくることで関係性が変わる

・「家族との関係が途切れがち」
→ 誕生日・季節行事・日々の様子を伝える“きっかけ投稿”や手書きメッセージが継続のカギになる

まとめ:“家族も支える施設”が、信頼され、選ばれる

介護施設の価値は、目に見える設備やサービスだけで決まるものではありません。
「この人たちになら、大切な家族を任せられる」──そう感じてもらえる関係性こそが、最大のブランディング要素です。
家族を「支える相手」として捉える発想が、これからの介護施設に求められる視点です。
“家族も安心できるケア”を軸に、施設の魅力を育てていきましょう。

この記事の監修

ブランディング・ディレクター 豊田 善久
1979年生まれ、東京都出身。学校卒業後、印刷会社で現場を経験。広告代理店勤務を経てブランディング会社であるパドルデザインカンパニー勤務。病院、クリニック、介護施設、訪問サービスなど、医療・介護業界のホームページ制作やパンフレット、リーフレット、動画制作などに多数携わる。あらゆる業種・業界への企画提案経験をもとにお役立ち情報を発信しています。

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