Key Point
患者目線から考える“パンフレットの役割”とは
ホーム成功の秘訣患者目線から考える“パンフレットの役割”とは
Key Point
“知りたいこと”より、“安心したい気持ち”に応えるパンフレットへ
患者目線で見直せば、パンフレットの役割は大きく変わる

「この病院でいいのかな」――それが患者の本音

病院やクリニックを選ぶとき、患者が最も重視するのは「信頼できそうかどうか」です。
もちろん診療内容や医師の専門性も大切ですが、それ以上に、“ここに行って大丈夫か”“自分のことをちゃんと考えてくれそうか”という感情面の判断が大きく影響します。
そのとき手元にあるパンフレットは、その不安や緊張を“やさしくほどく”最初のコミュニケーションツールになるのです。

本記事では、患者視点に立ってパンフレットの役割を再定義するための視点をご紹介します。

患者目線での“パンフレットの役割”とは?

01.「どんな場所か」をイメージさせてくれる
・建物の写真や受付・待合スペースの様子、スタッフの表情などがあるだけで、来院前の心理的ハードルが下がる
・とくに高齢者や小さな子どもを連れた家族にとっては、“知らない場所”への不安が大きい
“空気感”を伝えるビジュアルは、最も効果的な安心材料

02.「自分にもわかる」ことが伝わると安心する
・医療パンフレットでよくある“専門用語の羅列”や“堅い表現”は、読者との距離を広げてしまう
・「噛み砕いた説明」「やさしい言い回し」「Q&A形式」「イラスト解説」などで、“わかりやすさ”が伝わると信頼につながる
・「説明が丁寧な病院だな」という第一印象をつくれる

03.「この人たちなら大丈夫」と思える“人の気配”
・院長やスタッフの紹介に、“ひと言コメント”や“写真”があるだけでぐっと印象がやわらぐ
・「誰が診てくれるのかわからない」ことが不安の原因になる
“人が見えるパンフレット”は、それだけで選ばれる理由になりうる

“患者目線”でパンフレットフを見直すチェックポイント

・内容が「伝えたいこと」ばかりになっていないか?
→ 「相手が知りたいこと」「感じたい安心」に合わせた構成か見直す

・難しい言葉や略語が多くないか?
→ 医療関係者以外でも“読める・わかる・信じられる”文章に整える

・読み進めたくなる“やさしさ”があるか?
→ デザイン・文字量・トーンに“気づかい”があるかどうかを重視する

パンフレット制作のよくある課題と改善のヒント

・「必要な情報は全部入れてるのに、反応が薄い」
→ 情報量ではなく“感情に寄り添っているか”を見直す
→ 例:「当院の特徴」ではなく「当院が大切にしていること」という表現への転換

・「誰に向けたパンフレットかわかりにくい」
→ ペルソナ(想定読者)を明確にして“その人だけに話しかける”トーンで再構成する

・「デザインが無機質で冷たい印象になる」
→ 実際のスタッフ・診療風景の写真/イラスト/やさしい色調で“人のあたたかさ”を伝える

まとめ:“情報”ではなく、“安心”を届けるパンフレットへ

医療機関のパンフレットは、ただの説明ツールではありません。
不安を抱えている人が、「ここに行ってみよう」「この人たちなら大丈夫かも」と思えるような“安心の入り口”であるべきです。
だからこそ、“伝える”よりも“寄り添う”。“読む”よりも“感じる”。
患者の気持ちに立ってつくるパンフレットは、必ず“信頼される医療”につながっていきます。

この記事の監修

ブランディング・ディレクター 豊田 善久
1979年生まれ、東京都出身。学校卒業後、印刷会社で現場を経験。広告代理店勤務を経てブランディング会社であるパドルデザインカンパニー勤務。病院、クリニック、介護施設、訪問サービスなど、医療・介護業界のホームページ制作やパンフレット、リーフレット、動画制作などに多数携わる。あらゆる業種・業界への企画提案経験をもとにお役立ち情報を発信しています。

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パドルデザインカンパニーは、5職種で編成されたブランディングカンパニー。ブランドコンサルティングとデザイン会社の両側面を持ち合わせ、クライアントの課題に実直に向き合います。南青山に構える本社を主な拠点に、東京・神奈川・千葉・埼玉の13件を中心に、北海道から沖縄まで全国対応可能です。