“パンフレット=案内ツール”という固定観念を超える
パンフレットというと、「診療案内」「施設紹介」「予約方法」などの情報提供が中心になりがちです。
しかし、医院が本当に求めるのは、「このクリニック、いいよ」「地域にあってよかったね」と言ってもらえる“応援”される存在になること。
その入口として、パンフレットは“つながりを生むメディア”に進化させるべきです。
本記事では、患者・地域住民・関係者から“応援される”パンフレットを目指すための広報設計の視点と工夫を紹介します。
“応援されるパンフレット”に共通する3つの特徴
01.情報より“想い”を伝えている
・「診療科紹介」ではなく、「誰のどんな悩みに寄り添いたいのか」を語る
・院長・スタッフのメッセージも、経歴より“なぜこの地で診療をしているのか”が響く
・「一緒に地域を支えていきたい」という姿勢が、共感の入口になる
02.“関係性を築く導線”がある
・LINE、YouTube、Webコラム、イベントのお知らせなど、“情報の続き”に出会える仕掛けを持っている
・パンフレットをきっかけに、「医院の活動に参加する」「SNSでつながる」「家族に紹介する」など、アクションにつながる設計があると、“応援の循環”が生まれる
03.“地域とともにある姿”を描いている
・地域での取り組み(健康教室・清掃活動・災害支援など)を紹介する
・患者さんやご家族とのエピソードを匿名で紹介
・“この町の一員としての存在感”をにじませると、応援したくなる医院に
応援されるパンフレット構成例
・表紙:やさしい写真と「この町とともにあるクリニックです」などの一文
・1P:ごあいさつ(理念や医院の成り立ちを“語りかけるように”)
・2P:診療案内+「どんな人の助けになりたいか」のメッセージ
・3P:スタッフ紹介+想いや趣味・好きなことなど人柄が伝わる内容
・4P:地域活動・イベント・患者との関わり紹介(写真やミニコラム)
・5P:よくある質問+家族や介護者向けの一言コーナー
・6P:LINE・Web・予約案内+お持ち帰り・シェアを促す一文
パンフレット制作のよくある課題と改善のヒント
・「立派なパンフレットなのに、印象に残らない」
→ 情報の質ではなく、“人柄・姿勢・関係性”が伝わっていないことが原因。内容の一部にストーリーや温度感を盛り込む
・「作ったが広まらない」
→ 配布導線を設計する(地域薬局/高齢者施設/商店/郵送)+“誰に届けたいか”を明確にして渡す
・「パンフレット=説明書という固定観念から抜け出せない」
→ 一度、“医院のファンを増やすためのツール”という視点で再設計してみると、必要な要素が変わってくる
まとめ:“想い”と“つながり”を届けるパンフレットが、応援される医院をつくる
応援される医院は、診療内容以上に“人柄”と“姿勢”で選ばれています。
その第一歩となるパンフレットも、ただの情報提供ではなく、「この医院を応援したくなる理由」を届けるパンフレットであるべきです。
患者・家族・地域の誰かが、「あそこ、いいよ」と自然に語りたくなる。
そんなパンフレットを、広報戦略の核として育てていきましょう。
この記事の監修
ブランディング・ディレクター 豊田 善久
1979年生まれ、東京都出身。学校卒業後、印刷会社で現場を経験。広告代理店勤務を経てブランディング会社であるパドルデザインカンパニー勤務。病院、クリニック、介護施設、訪問サービスなど、医療・介護業界のホームページ制作やパンフレット、リーフレット、動画制作などに多数携わる。あらゆる業種・業界への企画提案経験をもとにお役立ち情報を発信しています。
東京港区のブランディングカンパニー
パドルデザインカンパニーは、5職種で編成されたブランディングカンパニー。ブランドコンサルティングとデザイン会社の両側面を持ち合わせ、クライアントの課題に実直に向き合います。南青山に構える本社を主な拠点に、東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3件を中心に、北海道から沖縄まで全国対応可能です。