“手に取られたか”より、“読み返されたか”が広報効果を分ける
受付や待合室にリーフレットやチラシを設置しても、「見られているかどうかわからない」「反応が薄い」と感じたことはありませんか?
実は、“読み流されるリーフレット”と“思い出されるリーフレット”には、つくり方の根本的な違いがあります。
本記事では、「受付・待合室での印象づけ」+「持ち帰って読み返される」リーフレットを設計するコツをお伝えします。
“読み返されるリーフレット”に共通する3つの要素
01.「これ、自分に関係あるかも」と思わせる導入
・最初の言葉で“対象者が自分だ”と気づかせる設計が鍵
・例:「最近、家でのケアに不安を感じている方へ」
→ 待合で手持ち無沙汰な人の目に留まりやすくなる
02.“あとで家族と話したくなる”内容構成
・患者本人ではなく、家族や介護者が持ち帰ることも多い
・「ご家族に見せていただけるように、ポイントをまとめました」などの一文を入れると、読み返しやすい動機になる
03.“置いてあるだけ”にならないデザインと配置
・タイトルが小さい・内容が専門的すぎるものは、読まれにくい
・“読む気にさせる”設計(余白/写真/短文+図解)を意識する
・「自由にお持ち帰りください」カードやスタンド設置で“目に入りやすさ”を高める工夫も大切
設計上の工夫ポイント|待合室配布向けリーフレットの具体策
・1テーマ完結+やさしい文章で構成
→ 情報を詰め込みすぎない/内容を3〜4見出しに絞る
・“このリーフレットで何がわかるか”を表紙に明記
→ 例:「在宅医療の始め方/訪問診療ってどんな感じ?」
→ “内容のチラ見せ”を表紙で完結させておくと手に取られやすい
・読み終わったあと“次に何をすればいいか”が明確
→ 「気になる方は受付でご相談を」「LINEで最新情報を受け取れます」など、アクション喚起の導線を忘れずに
リーフレット制作のよくある課題と改善のヒント
・「冊子ばかり置いていて、リーフレットが目立たない」
→ “色・形・タイトルフォント”などで差別化されたデザインにする/スタンド・トレーで“独立スペース”を設ける
・「パンフレットは立派だけど、読まれていない」
→ 冊子は「しっかり読むもの」、リーフレットは「さっと手に取って持ち帰るもの」。場面に合わせて分けることで補完関係を築く
・「スタッフが案内に活用していない」
→ 現場で「これ、ぜひご覧ください」と渡せるように“配布マニュアル”や“使い方メモ”を共有すると運用率が上がる
まとめ:“読む”ではなく“思い出してもらう”リーフレットをつくる
待合室や受付に置かれるリーフレットは、ただの情報提供ツールではなく、“医院の印象”をつくる広報メディアです。
その印象を残すためには、「読む時間」よりも“思い出す場面”を想定して設計することが大切です。
「家に帰って、もう一度読んでもらえるか?」
そう考えてつくるリーフレットは、患者や家族との新しい会話や来院のきっかけをつくってくれます。
この記事の監修
ブランディング・ディレクター 豊田 善久
1979年生まれ、東京都出身。学校卒業後、印刷会社で現場を経験。広告代理店勤務を経てブランディング会社であるパドルデザインカンパニー勤務。病院、クリニック、介護施設、訪問サービスなど、医療・介護業界のホームページ制作やパンフレット、リーフレット、動画制作などに多数携わる。あらゆる業種・業界への企画提案経験をもとにお役立ち情報を発信しています。
東京港区のブランディングカンパニー
パドルデザインカンパニーは、5職種で編成されたブランディングカンパニー。ブランドコンサルティングとデザイン会社の両側面を持ち合わせ、クライアントの課題に実直に向き合います。南青山に構える本社を主な拠点に、東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3件を中心に、北海道から沖縄まで全国対応可能です。