“技術よりも空気感”で選ばれる時代
歯科医院は地域に多数存在し、患者側からすると“違いがわかりにくい”のが現実。
そこで選ばれる決め手になるのは、治療技術よりも「ここなら通えそう」と感じる安心感や共感性です。
チラシは、その“第一印象”をつくるメディア。
いかに“感情に届く設計”になっているかが、反応の分かれ目になります。
“選ばれる歯科チラシ”の3つの感情設計ポイント
01.「ここなら大丈夫そう」と思わせる安心演出
・例:やさしい表情のスタッフ写真/温かい院内の雰囲気/キッズスペース紹介
・「痛みに配慮した診療」「不安な方にはカウンセリングから」などの“患者目線のやさしい言葉”が重要
02.「自分の悩みに合っている」と思える導入
・例:「むし歯が気になる方へ」ではなく、「つめものが外れたままにしていませんか?」など具体的な日常表現に置き換える
・“自分ごと化”された表現が、行動のきっかけに
03.“人柄と空気”が伝わる構成にする
・院長やスタッフの一言コメント、写真、趣味など
・「この先生に診てもらえそう」「緊張しなさそう」――人の温度を載せることで信頼が生まれる
構成例|A4チラシ(歯科向け)
▢上部
・キャッチコピー:「はじめての歯医者が不安な方へ」
・写真:院内のやわらかい雰囲気/笑顔の受付風景
・サブコピー:「“痛そう”“怖そう”を“ここなら大丈夫”に変える歯医者です」
▢中央
・診療メニューの一例(むし歯治療/ホワイトニング/予防歯科など)
・「こんな時にご相談ください」Q&A形式(つめもの/歯ぐきの出血/子どもが嫌がる など)
▢下部
・院長紹介+一言コメント(例:「まずは“お話だけ”も歓迎です」)
・アクセス/電話番号/Web予約QR
・「お口の相談、気軽にどうぞ」のやさしい締め言葉
チラシ制作のよくある課題と改善ヒント
・「メニュー一覧だけでは反応がない」
→ メニューではなく、“悩み”や“場面”から伝えることで、読み手の自分ごと感が高まる
・「信頼感を出したくて、専門性を前面に出している」
→ 知識や技術よりも、“人柄”と“やさしさ”が伝わる構成のほうが選ばれやすいのが歯科の広報紙
・「きれいだけど無機質なチラシになってしまう」
→ 写真/イラスト/手書きコメントなど、“動き”や“人間味”のある素材を組み込むことで印象が変わる
まとめ:“説明のチラシ”ではなく、“信頼される空気”を届けるチラシへ
歯科の広報は、技術を語る場ではなく、“通いたくなる場所”を感じてもらうコミュニケーションツールです。
1枚のチラシで、どこまで安心感を届けられるか。
“感情を動かす設計”にこそ、来院や相談へとつながる鍵があります。
「なんとなく、ここにしようかな」
その“なんとなく”を、信頼の入口に変えるチラシづくりを、ぜひ意識してみてください。
この記事の監修
ブランディング・ディレクター 豊田 善久
1979年生まれ、東京都出身。学校卒業後、印刷会社で現場を経験。広告代理店勤務を経てブランディング会社であるパドルデザインカンパニー勤務。病院、クリニック、介護施設、訪問サービスなど、医療・介護業界のホームページ制作やパンフレット、リーフレット、動画制作などに多数携わる。あらゆる業種・業界への企画提案経験をもとにお役立ち情報を発信しています。
東京港区のブランディングカンパニー
パドルデザインカンパニーは、5職種で編成されたブランディングカンパニー。ブランドコンサルティングとデザイン会社の両側面を持ち合わせ、クライアントの課題に実直に向き合います。南青山に構える本社を主な拠点に、東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3件を中心に、北海道から沖縄まで全国対応可能です。