医療ブランディングにおける「インナーブランディング」の重要性
ブランディングはロゴやWebサイトデザインだけではなく、医療機関全体の「あり方」を表現するもの。なかでも院内スタッフのふるまいや対応は、患者様が直接体験する「ブランドそのもの」です。スタッフがブランドの意図や価値を理解し、自発的にそれを体現していくことが、信頼を築く医療ブランディングの根幹をなします。
スタッフのブランド理解を深めるための施策
ブランディングが機能するには、まずスタッフが「なぜその取り組みが必要なのか」を理解することが不可欠です。ビジョンや方針を伝えるためにはトップダウンでの定期的な共有と、意見を聞く場を両立させた双方向のコミュニケーションが重要です。ブランドガイドラインを共有するだけでなく、日々の業務にどう落とし込むかが鍵を握ります。
接遇レベルの統一がブランディングを支える
●スタッフ一人ひとりの言動が医療機関の印象を決定づける
●接遇マニュアルの整備だけでなく、共通認識の醸成が必要
●挨拶・言葉遣い・態度の徹底で、ブランドメッセージを“体現”する
ブランド価値を共有する研修の重要性
接遇研修や理念研修は単なるルールの伝達ではなく、医療機関としての“想い”や“使命”を共有する場となります。患者様の安心感を醸成し、組織としての一体感を高めるには、スタッフが自分事としてブランディングに関われるよう設計する必要があります。
院内で起こりがちなブランディングの壁とは?
●理念やブランドビジョンが「現場と乖離」している
●現場が「忙しさ」を理由にブランディングを軽視しがち
●院内での情報伝達が一方通行で終わってしまう
こうした壁を超えるには、ブランディングを「やらされ事」ではなく「現場で活かせる武器」として伝えていく工夫が必要です。
成功事例:スタッフがブランドの担い手になったクリニック
あるクリニックでは、月1回のミーティングでブランドビジョンをスタッフと共有し、接遇研修もスタッフ発案で運用。患者様アンケートでも「対応が丁寧」「安心感がある」との評価が向上し、口コミ経由での来院が増加しました。
まとめ:スタッフの理解と共感がブランドを強くする
医療ブランディングを外部向けの施策と捉えるのではなく、まずは内部から整えることが成功の第一歩です。スタッフが理念や価値を理解し、日々の行動に落とし込むことで、真に「選ばれる医療機関」へと進化します。ブランドは一人の言葉や対応から生まれ、積み重なって信頼となるのです。
この記事の監修
ブランディング・ディレクター 豊田 善久
1979年生まれ、東京都出身。学校卒業後、印刷会社で現場を経験。広告代理店勤務を経てブランディング会社であるパドルデザインカンパニー勤務。病院、クリニック、介護施設、訪問サービスなど、医療・介護業界のホームページ制作やパンフレット、リーフレット、動画制作などに多数携わる。あらゆる業種・業界への企画提案経験をもとにお役立ち情報を発信しています。
東京港区のブランディングカンパニー
パドルデザインカンパニーは、5職種で編成されたブランディングカンパニー。ブランドコンサルティングとデザイン会社の両側面を持ち合わせ、クライアントの課題に実直に向き合います。南青山に構える本社を主な拠点に、東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3件を中心に、北海道から沖縄まで全国対応可能です。