なぜオンボーディングが定着率を左右するのか
多くの離職は、入職から1〜3ヶ月以内に起こります。理由は「思っていた職場と違った」「誰にも聞けない不安があった」といった、組織とのギャップや孤立感に起因します。
このギャップを埋めるのがオンボーディングです。理念・文化・行動ルールを共有し、“仲間として迎え入れられている”という安心感を与えることで、定着率は大きく変わります。
オンボーディングに組み込むべき3つのブランド要素
1. 初日から“理念”を体感できる設計
単なる就業規則や業務手順の説明ではなく、「この医療機関が大切にしている考え方」「私たちの医療観」を言葉とエピソードで伝える時間を設けます。
理念を“自分ごと”として理解してもらうことが、早期の共感と一体感につながります。
2. スタッフ全体で迎え入れる文化の可視化
新入職者を「現場任せ」にせず、全スタッフで関与する仕組みを用意します。
・入職当日の“歓迎メッセージ”掲示
・先輩スタッフによる付き添い期間の設定
・歓迎ランチやオリエンテーションでの顔合わせ
これらの仕組みが、関係構築の第一歩になります。
3. ブランド体験としての“習慣づくり”
日報や振り返りミーティングの中に、“理念に沿った行動を発見する”時間を設けます。
「今日の仕事の中で、私たちの理念が活きた場面は?」という問いかけを通じて、自らの業務がブランド体現に結びついている実感を育てます。
オンボーディングのスケジュール例(初日〜3ヶ月)
・1日目:理念紹介・スタッフ紹介・業務フロー案内・歓迎ランチ
・1週目:担当者付き添い+振り返りシート提出
・1ヶ月:ミニレビュー+業務理解度テスト+フィードバック面談
・3ヶ月:理念理解テスト+継続面談(今後の期待・希望のヒアリング)
初日で「ここに来てよかった」と感じてもらう工夫
・ロッカーやデスクに名前入りメッセージを用意
・「この3ヶ月であなたに期待していること」を明文化して伝える
・小さな成功体験を与える業務フロー設計(例:受付体験ロールプレイ)
まとめ:オンボーディングは“働く理由”をつくる第一歩
働く場としての信頼感、価値観への共感、人とのつながり。この3つが初日から感じられる設計が、長期的な定着と活躍に直結します。オンボーディングを“理念と文化の体感装置”としてデザインし、ブランドの一部として機能させていきましょう。
この記事の監修
ブランディング・ディレクター 豊田 善久
1979年生まれ、東京都出身。学校卒業後、印刷会社で現場を経験。広告代理店勤務を経てブランディング会社であるパドルデザインカンパニー勤務。病院、クリニック、介護施設、訪問サービスなど、医療・介護業界のホームページ制作やパンフレット、リーフレット、動画制作などに多数携わる。あらゆる業種・業界への企画提案経験をもとにお役立ち情報を発信しています。
東京港区のブランディングカンパニー
パドルデザインカンパニーは、5職種で編成されたブランディングカンパニー。ブランドコンサルティングとデザイン会社の両側面を持ち合わせ、クライアントの課題に実直に向き合います。南青山に構える本社を主な拠点に、東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3件を中心に、北海道から沖縄まで全国対応可能です。