理念のズレが“働きづらさ”や離職の原因になる
採用面接や入職初期では好印象だった人材が、数ヶ月で離職してしまう。
その多くは、業務スキルの問題ではなく「価値観のズレ」に起因します。
院長が大切にしている想いが現場に届いていない。スタッフ間で医療観がバラバラ。
こうした“理念の共有不足”は、組織にミスマッチとモヤモヤを生じさせます。
理念共有を“体感”として設計する
1. 掲示や文章だけでなく、ストーリーとして語る
スタッフが理念に共感し、行動に反映できるようになるには、言葉以上の“背景”が必要です。
「なぜこの理念が生まれたのか」「この言葉に込めた想いは何か」を、院長や創業メンバーがストーリーとして語ることで、理念は“納得できる言葉”に変わります。
2. スタッフ自身の経験とつなげて解釈する場を設ける
理念を一方的に“覚えさせる”のではなく、「この理念をどう解釈するか?」「自分の行動とどう重ねられるか?」という対話の場を持ちます。
ワークシートや小グループでの対話などを通じて、理念が“自分ごと”になります。
3. 理念に基づいた行動事例を日々フィードバックする
「今日、◯◯さんが見せたあの対応、まさに私たちの理念そのものでした」
このように具体的な行動に対して“理念との接点”を言語化してフィードバックすることで、スタッフは理念の意味を日常の中で理解していきます。
理念共有とビジョン教育の実践例
・週1の朝礼で理念を1項目ずつ読み合わせ+共有タイム
・理念にまつわる“現場エピソード”をスタッフから募る
・年1回の「ブランド共感ワークショップ」開催
・新入職者研修に「理念×自分のキャリアを語る」セッションを組み込む
理念が共有されると現場に起きる変化
・スタッフの判断軸が一致し、迷いが減る
・言葉のトーンや接遇態度が自然と揃う
・クレーム対応や難しい判断で“行動の裏付け”になる
・仕事に意味と誇りを見出せる
まとめ:理念は“共通語”として再設計しなければ伝わらない
理念は壁に貼っておくだけでは浸透しません。
ストーリーで語り、対話で育み、日常の行動と結びつけて初めて、「現場で生きる言葉」になります。
スタッフ一人ひとりが理念を理解し、自分の仕事とつなげて動ける状態こそが、ブランディングの基盤です。
この記事の監修
ブランディング・ディレクター 豊田 善久
1979年生まれ、東京都出身。学校卒業後、印刷会社で現場を経験。広告代理店勤務を経てブランディング会社であるパドルデザインカンパニー勤務。病院、クリニック、介護施設、訪問サービスなど、医療・介護業界のホームページ制作やパンフレット、リーフレット、動画制作などに多数携わる。あらゆる業種・業界への企画提案経験をもとにお役立ち情報を発信しています。
東京港区のブランディングカンパニー
パドルデザインカンパニーは、5職種で編成されたブランディングカンパニー。ブランドコンサルティングとデザイン会社の両側面を持ち合わせ、クライアントの課題に実直に向き合います。南青山に構える本社を主な拠点に、東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3件を中心に、北海道から沖縄まで全国対応可能です。