人は「働きがい」がある場所に残り続ける
給与や勤務時間、福利厚生の整備はもちろん重要ですが、それだけでは離職は防げません。
スタッフが「この職場で働く意味がある」「人として成長できる」と感じて初めて、“働き続けたい”というエンゲージメントが生まれます。
この“働きがい”を意識的に言語化・見える化することが、今の医療現場には求められています。
働きがいを言語化する方法
1. “何のために働いているか”を言葉にする時間を設ける
定期的な1on1面談や振り返りシートで、「あなたがこの職場で嬉しかったこと」「感動した瞬間」を聞き出します。
そこから「誰かの役に立てた実感」や「チームに貢献できた誇り」といった、“心が動いた瞬間”を明文化します。
2. “あなたらしさが活きた瞬間”をフィードバックする
働きがいは、「あなたにしかできないことがあった」と実感できたときに、より深まります。
「その声かけ、あなたらしくて患者さん安心してましたよ」
「あなたの冷静な対応でチームが助かりました」
そんな“らしさ”を言語化して伝えることが、個人の承認と働きがいの源になります。
3. 小さな成功や感謝をチームで共有する文化をつくる
「今週のありがとうメッセージ」掲示や、月1の“感謝カード”交換など、ささやかな承認を見える形にすることで、互いの存在価値を実感できる風土が育ちます。
働きがいを“見える化”する仕組みの例
・働きがいエピソードのポスター掲示や院内報コーナー
・スタッフ主導の「やりがいマップ」づくり
・新人が感動した瞬間をスタッフ全体会で共有
・“1日の終わりにひと言日記”をスタッフルームに設置
働きがいが言語化されると起きる変化
・「ここで働く意味」が明確になり、迷いが減る
・自分の仕事に対する誇りと責任感が高まる
・口コミやSNS投稿でも“理念の体現”が自然と表れる
・面接や見学で“職場の雰囲気”が伝わりやすくなる
まとめ:働きがいは“感じさせる”のではなく“言葉にする”ことで定着する
働きがいを言葉にして共有できる職場は、離職率が低く、ブランドの内面から強くなります。
個々の喜びや誇りを発見し、それを組織の文化として育てることが、選ばれ続ける医療機関づくりの基盤となるのです。
この記事の監修
ブランディング・ディレクター 豊田 善久
1979年生まれ、東京都出身。学校卒業後、印刷会社で現場を経験。広告代理店勤務を経てブランディング会社であるパドルデザインカンパニー勤務。病院、クリニック、介護施設、訪問サービスなど、医療・介護業界のホームページ制作やパンフレット、リーフレット、動画制作などに多数携わる。あらゆる業種・業界への企画提案経験をもとにお役立ち情報を発信しています。
東京港区のブランディングカンパニー
パドルデザインカンパニーは、5職種で編成されたブランディングカンパニー。ブランドコンサルティングとデザイン会社の両側面を持ち合わせ、クライアントの課題に実直に向き合います。南青山に構える本社を主な拠点に、東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3件を中心に、北海道から沖縄まで全国対応可能です。