ブランドは“上から与えるもの”ではなく“中から育てるもの”
本シリーズでは、医療機関におけるインナーブランディングの視点から、スタッフが主体となってブランドを体現し、文化として根づかせていくための具体的な仕組みを紹介してきました。
単に理念を伝えるだけでは、組織の“動き”は変わりません。スタッフの共感と参加によって、ブランドは“現場で動き始める”のです。
本シリーズの要点ダイジェスト
・ブランド委員会は、現場と理念をつなぐ翻訳装置
・立ち上げ段階で「目的・構成・活動内容・報告方法」を設計することが成功の鍵
・理念は“行動に落とす”ことでスタッフに定着する
・研修や日々の実践にブランド要素を組み込むと継続性が生まれる
・スタッフ発案の小さなアクションが、“この職場らしさ”を育てていく
院内文化としてブランドが根づいた状態とは
・スタッフが“らしさ”を自ら語り始める
・理念が接遇や判断、リーダーシップの“軸”として使われている
・新入職者が「空気がいい」「みんなが同じ方向を向いている」と感じる
・患者や利用者から「ここは安心できる」と信頼される
ここから始める、持続可能なブランド育成の第一歩
・まずは小さく始める
・全員を巻き込もうとせず、“共感する人”から始める
・“らしさ”を言葉にし、可視化する場をつくる
・“正解”ではなく“自分たちらしさ”を問い続ける
これらの積み重ねが、理念を“組織の人格”へと育てていきます。
まとめ:ブランディングは“みんなで育てるストーリー”である
スタッフが理念に共感し、語り、行動で体現する。
その循環こそが、医療機関における本質的なブランディングです。
ブランドとは、教えるものではなく、一緒につくりあげていくもの。
“らしさ”の言葉が現場を動かし、“共感”が組織を進化させる力になる未来を、ここから育てていきましょう。
この記事の監修
ブランディング・ディレクター 豊田 善久
1979年生まれ、東京都出身。学校卒業後、印刷会社で現場を経験。広告代理店勤務を経てブランディング会社であるパドルデザインカンパニー勤務。病院、クリニック、介護施設、訪問サービスなど、医療・介護業界のホームページ制作やパンフレット、リーフレット、動画制作などに多数携わる。あらゆる業種・業界への企画提案経験をもとにお役立ち情報を発信しています。
東京港区のブランディングカンパニー
パドルデザインカンパニーは、5職種で編成されたブランディングカンパニー。ブランドコンサルティングとデザイン会社の両側面を持ち合わせ、クライアントの課題に実直に向き合います。南青山に構える本社を主な拠点に、東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3件を中心に、北海道から沖縄まで全国対応可能です。