体験の質を“言語化”できていますか?
「感じがいい」「なんとなくスムーズだった」
これらは一見、曖昧で測定不可能に見える体験の印象ですが、実はチェック項目と視点さえ整えれば、構造化し、再現・改善することができます。
それを可能にするのが、UX診断チェックツールです。
UX診断チェックツールとは?
UX診断チェックツールとは、患者やスタッフが医療機関で接するあらゆる体験(予約〜診察〜会計など)を評価・点検できるフレームです。
主観的な印象を「見える化」し、どの部分で感情が動いているか、逆に不安や不満が生じているかを分析・改善するために使用します。
UX診断チェックツール導入の主な目的
01.体験の質を定量・定性の両軸で評価するため
・点数評価だけでなく、具体的なエピソードや印象も収集
・“どこで満足度が上下するか”を視覚的に理解できる
02.理念やブランディングと現場の“ギャップ”を発見するため
・「私たちは“安心感”を大切にしているが、初診時の導線で迷う人が多い」など、現場とブランドメッセージの不一致を発見
03.改善の優先順位をチームで共有するため
・改善提案の根拠を“感覚”ではなく“データ”に
・スタッフ全員が同じ視点で現場を見つめ直す機会に
UX診断チェックツールの構成要素(例)
・ステージ別:
・予約
・受付
・待合
・診察
・会計
・フォロー
・評価軸:
・わかりやすさ
・安心感
・共感やホスピタリティ
・時間の使われ方
・印象に残った点/残らなかった点
・回答方式:
・5段階評価+自由記述
・印象に残った一言・対応を記入
・「もっとこうしてほしかったこと」記入
UX診断チェックツール対象者の使い分け
・患者向け:体験者としての純粋な感想・改善点
・スタッフ向け:提供側としての気づき・現場改善提案
・ブランド委員会向け:両者を照らし合わせ、院全体の課題と目標を整理する視点
UX診断チェックツール活用の基本ステップ
01.対象と目的を決定する
例:初診の患者体験を分析、スタッフの離職理由を探る
02.チェックツールを配布・回収する
形式:紙アンケート、タブレット、Googleフォームなど柔軟に対応
03.回答を集計し、視覚化する
棒グラフやレーダーチャート、キーワードマッピングが有効
04.ギャップ分析と改善アクションを検討する
理念やブランドビジョンとの乖離をチームで検討し、優先順位を決定
05.改善策を実施し、一定期間後に再診断する
改善の効果を再評価し、継続的な改善サイクルを確立する
まとめ:UX診断は“感覚”を“構造”に変えるブランディング装置
サービスの質を高めるには、現場の印象を見える化し、言葉にして共有する仕組みが不可欠です。
UX診断チェックツールは、体験に根ざしたブランディングを推進するための、最も現実的かつ継続可能な施策です。
この記事の監修
ブランディング・ディレクター 豊田 善久
1979年生まれ、東京都出身。学校卒業後、印刷会社で現場を経験。広告代理店勤務を経てブランディング会社であるパドルデザインカンパニー勤務。病院、クリニック、介護施設、訪問サービスなど、医療・介護業界のホームページ制作やパンフレット、リーフレット、動画制作などに多数携わる。あらゆる業種・業界への企画提案経験をもとにお役立ち情報を発信しています。
東京港区のブランディングカンパニー
パドルデザインカンパニーは、5職種で編成されたブランディングカンパニー。ブランドコンサルティングとデザイン会社の両側面を持ち合わせ、クライアントの課題に実直に向き合います。南青山に構える本社を主な拠点に、東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3件を中心に、北海道から沖縄まで全国対応可能です。