「行きたくても行けない診療科」だからこそ、ブランディングが必要
精神科・心療内科の患者は、そもそも医療機関に足を運ぶまでに強いハードルを感じています。
周囲の目、初診時の対応、院内の雰囲気、医師の言葉遣いなど。
そのすべてが「この場所は安心できるか」の判断材料になります。
集患の前に“心理的バリア”をどう下げるか
この診療科でのブランディングは、「来てもらう」ことよりもまず、「不安を取り除く」ことにフォーカスする必要があります。
情報発信・予約導線・受付対応のどこかにストレスがあれば、離脱の原因になります。
安心感を提供するブランド戦略の構成要素
01.メッセージの設計
・例:「話すことに慣れていなくても大丈夫です」
・患者の不安を“先回りして”受け止める言葉をトップメッセージに
02.院内空間とスタッフの雰囲気
・照明、色使い、匂い、BGMなど、五感で緊張を和らげる設計が必要
・受付や看護師が“対応に一貫性があること”が、信頼に直結する
03.予約〜初診までの“最初の体験設計”
・予約フォームでの入力項目の多さがストレスになることも
・初診案内の文面や説明動画で、不安を軽減する工夫を
04.ホームページやSNSでの配慮
・「どんな人が診てくれるのか」「どんな雰囲気か」を、実際の写真やナチュラルな言葉で伝える
・医師紹介の文面も、信頼と共感を生む表現が必要
精神科・心療内科 集患戦略のよくある落とし穴
・「うつ」「不安障害」など症状名ばかりを押し出しすぎて、症状に向き合う前の段階の患者に届かない
・あいまいな診療ポリシーで、“専門性が低そう”という印象を与えてしまう
→逆に、「心のことを話すのが初めての方へ」など、患者視点の導線があるだけで来院率が変わります。
まとめ:精神科・心療内科は“集める”のではなく“支える”ブランディングが本質
診療技術や資格よりも、「この場所で安心して話せるか」が選ばれる基準です。
患者が最初に接する「ホームページ」「受付」「初診対応」こそがブランドの入り口であり、心理的ハードルを下げる設計が成功の鍵を握ります。
この記事の監修
ブランディング・ディレクター 豊田 善久
1979年生まれ、東京都出身。学校卒業後、印刷会社で現場を経験。広告代理店勤務を経てブランディング会社であるパドルデザインカンパニー勤務。病院、クリニック、介護施設、訪問サービスなど、医療・介護業界のホームページ制作やパンフレット、リーフレット、動画制作などに多数携わる。あらゆる業種・業界への企画提案経験をもとにお役立ち情報を発信しています。
東京港区のブランディングカンパニー
パドルデザインカンパニーは、5職種で編成されたブランディングカンパニー。ブランドコンサルティングとデザイン会社の両側面を持ち合わせ、クライアントの課題に実直に向き合います。南青山に構える本社を主な拠点に、東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3件を中心に、北海道から沖縄まで全国対応可能です。