“閉じた施設”から“共につくる施設”へ
地域との関係性を築く上で、ボランティアの存在は非常に重要です。
単なる“労働力の補填”ではなく、「地域住民が関与し、施設を支えている」という体制そのものが、ブランド価値を生み出します。
住民の声・力・温度を活かしたボランティア施策は、信頼と共感をつくる最前線です。
ボランティア活動をブランド化する仕組みづくりのポイント
01.“施設の応援団”という位置づけを明確にする
・単なる手伝いではなく、「共に地域の福祉を支える仲間」として迎える姿勢が大切
・名称例:「◯◯福祉サポーター」「まちのケアサポ隊」などブランド化された呼称を用意
02.参加のハードルを下げる“軽量な関わり方”を設計する
・例:読み聞かせ/園芸手伝い/車椅子の掃除/一緒に歌うだけなど、15分〜1時間単位の“やれること”を細分化
・「月1でも歓迎」「途中参加OK」など柔軟なルール設計が継続のカギに
03.継続参加を促す“ありがとう設計”を組み込む
・参加証や感謝状の発行、年1回のボランティア感謝祭、掲示板へのお名前掲載など
・関わる人の承認欲求や誇りに寄り添ったしくみをつくることで、自然な継続が期待できる
04.参加者の声を“施設づくり”に活かす体制へ
・「施設のここが素敵だった」「ここを改善できるかも」といった住民視点を吸い上げる意見箱や交流会の実施
・ボランティアからのフィードバックが施設改善と地域共感の両輪に
ボランティア活動のよくある課題と解決ヒント
・人が集まらない/集まっても定着しない
→ まずは“ゆるい関わり”をSNSや回覧板、町内会で告知し、「関心→参加→継続」への導線を丁寧に作る
・「迷惑をかけたくない」「役に立てるかわからない」という心理的障壁がある
→ 事前説明会の開催、マッチングシートによる“得意なこと診断”など、安心して入れる設計が必要
・現場スタッフが歓迎できる体制が整っていない
→ 施設側にも“受け入れマニュアル”を用意し、職員へのメリット・共通ルールを周知する
まとめ:ボランティアは“地域とつながる体質”をつくる最前線
ボランティアの存在は、介護施設の雰囲気・外からの印象・入居者の笑顔、すべてに好影響を与えます。
地域に「関われる場所がある」と思ってもらえることが、施設の“顔”としてのブランド価値を育てる最大の施策になります。
継続的に関係を築ける仕組みをつくり、地域ぐるみの共創型施設を目指していきましょう。
この記事の監修
ブランディング・ディレクター 豊田 善久
1979年生まれ、東京都出身。学校卒業後、印刷会社で現場を経験。広告代理店勤務を経てブランディング会社であるパドルデザインカンパニー勤務。病院、クリニック、介護施設、訪問サービスなど、医療・介護業界のホームページ制作やパンフレット、リーフレット、動画制作などに多数携わる。あらゆる業種・業界への企画提案経験をもとにお役立ち情報を発信しています。
東京港区のブランディングカンパニー
パドルデザインカンパニーは、5職種で編成されたブランディングカンパニー。ブランドコンサルティングとデザイン会社の両側面を持ち合わせ、クライアントの課題に実直に向き合います。南青山に構える本社を主な拠点に、東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3件を中心に、北海道から沖縄まで全国対応可能です。