Key Point
施設周辺の“まちの歴史”を活かしたブランディング手法
ホーム成功の秘訣施設周辺の“まちの歴史”を活かしたブランディング手法
Key Point
「この町の一部でありたい」と思われる施設へ。
地域の歴史を活かして共感を得るブランド設計とは?

“施設のストーリー”は、“地域の物語”と重ねることで強くなる

どれだけ立派な建物を構えても、地域の中で「浮いた存在」になっていては、真の信頼は得られません。
逆に、「この町の文化や歴史を大切にしている施設」と認識されれば、地域住民の共感はぐっと深まります。
ブランドは“土地の記憶”に寄り添って設計することで、より深く愛される存在へと進化します。

地域の“歴史”や“文化”を活かすブランディングのアプローチ

01.施設名やロゴに“まちの言葉”や“象徴”を織り込む
・地名・方言・名所・伝統行事などを参考に、地域らしさを施設のブランド要素に反映
・例:「さくら通りケアホーム」「みなみ風の里」など、地域に親しみのあるネーミングで共感を得る

02.施設内の“空間づくり”にまちの歴史を反映する
・昔の地図や写真、地元の絵画を掲示した“郷土の間”などを設ける
・地元の伝統工芸や祭りの装飾を活用することで、利用者の記憶や愛着にも訴求できる

03.地域の年中行事や風習を“レクリエーション”に組み込む
・地元のお祭り/収穫行事/餅つき/七夕飾りなどを、施設内で実施
・「あの頃と同じね」と共感できる体験が、入居者の安心感と施設の好印象につながる

04.地域史を語れるスタッフや住民を“案内人”として巻き込む
・「この町を知る人」が語ることで、施設に“物語の重み”が生まれる
・施設見学のときにも、“まちの解説”ができるスタッフがいると好印象に

“まちの歴史”を活かしたブランディングのよくある誤解と改善のポイント

・「歴史」と言うと堅苦しくなりがち
→ 重要なのは“その土地の懐かしさ・親しみやすさ”であり、小さなエピソードや日常の思い出で十分

・情報収集に時間がかかる
→ 地域の図書館、観光協会、商店街の長老などに“話を聞く”ことで生きた情報が得られる

・施設内で完結してしまい“外への発信”が弱い
→ 地元メディアやSNSで「この地域の魅力を伝える施設」として打ち出すことが重要

まとめ:“その場所だから選ばれる施設”になる

介護施設が地域に根ざすというのは、単に場所を構えることではありません。
地域の記憶・文化・誇りに共鳴し、それを日々の暮らしに取り込んでいくこと。
その姿勢が、「この町にある意味がある」「ここなら安心できる」という信頼へとつながります。
地元と共鳴する施設こそが、真に選ばれるブランドです。

この記事の監修

ブランディング・ディレクター 豊田 善久
1979年生まれ、東京都出身。学校卒業後、印刷会社で現場を経験。広告代理店勤務を経てブランディング会社であるパドルデザインカンパニー勤務。病院、クリニック、介護施設、訪問サービスなど、医療・介護業界のホームページ制作やパンフレット、リーフレット、動画制作などに多数携わる。あらゆる業種・業界への企画提案経験をもとにお役立ち情報を発信しています。

東京港区のブランディングカンパニー

パドルデザインカンパニーは、5職種で編成されたブランディングカンパニー。ブランドコンサルティングとデザイン会社の両側面を持ち合わせ、クライアントの課題に実直に向き合います。南青山に構える本社を主な拠点に、東京・神奈川・千葉・埼玉の13件を中心に、北海道から沖縄まで全国対応可能です。