理念は「読む」より「体験する」ことで深まる
理念は、掲げるだけでは現場に根づきません。壁に貼られた言葉よりも、日々の行動や関係性の中で「体感」することが、理念への理解と共感を育みます。
そこで有効なのが、理念をテーマにした共有イベントの開催です。単なる情報伝達ではなく、スタッフ自身が「理念を感じる」「自分ごと化する」機会をつくることで、言葉の意味が腑に落ち、誇りと一体感が生まれます。
本記事では、職員参加型の理念共有イベントの企画方法と、その効果について具体的にご紹介します。
理念共有イベントの効果を最大化するためのポイント
理念をテーマにしたイベントは、ただの「お楽しみ会」とは異なります。参加者の心に残る体験にするには、以下のような工夫が必要です。
・「職員が主役」のプログラム設計
理念にまつわるエピソードの発表や、スタッフ同士の感謝を伝える時間など、現場の声を中心にした構成が共感を生みます。理事長や施設長が自ら理念の背景を語ることも、信頼感を深める機会になります。
・参加しやすく、負担が少ない形にする
全員が参加しやすいよう、業務の合間に行うミニイベントや、ランチタイムとの併用なども効果的です。形式にとらわれず、柔軟に運営しましょう。
・「理念×感情」を動かす仕掛け
写真や動画、サプライズメッセージなど、視覚や感情に訴える演出は、理念を記憶に残りやすいものにします。「涙あり笑いあり」の要素は、職員間の絆を強める後押しにもなります。
理念共有イベントの実例|こんな取り組みが効果的
実際の医療・介護施設で行われている事例から、ヒントとなる企画をご紹介します。
・「ありがとうの手紙」発表会
日頃の感謝を手紙に書き、職員同士で読み合うイベント。涙を誘う時間が、理念の温もりを再確認するきっかけになります。
・理念にまつわる“現場ストーリー”共有会
理念を体現した行動をエピソードで発表する会。新人や他職種にも理念をリアルに伝える機会になります。
・理念×フォトコンテスト
「理念を感じた瞬間」を写真で募集し、職員投票で選出。視覚的に理念を表現することで、普段見逃しがちな価値観に気づくきっかけにもなります。
まとめ:理念を“共に語る時間”が、組織文化を育てる
理念は、共有し合うことで初めて意味を持ちます。イベントという形で一人ひとりの心に届けることで、理念が“言葉”から“文化”へと育っていくのです。日常業務に追われがちな現場だからこそ、あえて立ち止まって理念を語り合う時間は、組織の芯を強くする大切な投資になるでしょう。
この記事の監修
ブランディング・ディレクター 豊田 善久
1979年生まれ、東京都出身。学校卒業後、印刷会社で現場を経験。広告代理店勤務を経てブランディング会社であるパドルデザインカンパニー勤務。病院、クリニック、介護施設、訪問サービスなど、医療・介護業界のホームページ制作やパンフレット、リーフレット、動画制作などに多数携わる。あらゆる業種・業界への企画提案経験をもとにお役立ち情報を発信しています。
東京港区のブランディングカンパニー
パドルデザインカンパニーは、5職種で編成されたブランディングカンパニー。ブランドコンサルティングとデザイン会社の両側面を持ち合わせ、クライアントの課題に実直に向き合います。南青山に構える本社を主な拠点に、東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3件を中心に、北海道から沖縄まで全国対応可能です。