「テクノロジー=冷たい」時代は、もう終わりにしよう
介護の現場で「DX」や「ICT」という言葉に触れたとき、「機械化されるのでは?」「人の温かみが失われるのでは?」という不安を感じた方も多いかもしれません。
しかし、本当に求められるDXとは、“あたたかさを守るための手段”です。
記録業務の負担を減らし、スタッフが入居者と向き合う時間を増やす。家族とのつながりを絶やさず、見えない安心を届ける。
そんな人にやさしいテクノロジーが、今、介護施設の“らしさ”とブランド価値を支え始めています。
介護施設における“やさしいDX”とは何か?
01.「人にしかできないケア」に集中できる環境をつくる
・記録の自動入力や音声入力によって、職員の手を止めずにケアが可能に
・転倒検知センサーや見守りAIで夜間対応の負担を減らし、“気づき”に集中できる時間が増える
・「時間があるから、やさしくなれる」──その余裕が、施設の信頼感につながる
02.“つながり”を絶やさない仕組みをつくる
・家族向けの連絡アプリや写真共有ツールで、「離れていても様子がわかる」安心感を届ける
・訪問が難しい家族とも、テレビ電話やビデオメッセージで“気持ちの往復”を保つ
・テクノロジーが「心を届ける手段」となることで、ケアの質が一歩深まる
03.“見える安心”が、信頼を育てるブランドになる
・ICTを活用して「どんなケアが、どんなふうに行われているか」を見える形に
・ご家族・地域・求職者に向けて「私たちの取り組み」として紹介できる素材にもなる
・「最新技術を使っている」ことではなく、「人にやさしい使い方をしている」ことが評価される時代へ
テクノロジー導入がブランディングにつながる理由
・職員に“選ばれる職場”になる
→ 働きやすさ・ミスの軽減・残業削減などが伝わりやすく、採用にもプラスに
・家族に「任せてよかった」と思ってもらえる
→ 見守り体制や情報共有の仕組みがあることで、安心材料が増える
・地域・行政・関係者との信頼関係が育つ
→ 「この施設は、変化を前向きに活かせる」と認識されることで、連携がスムーズに
介護施設のテクノロジー活用のよくある懸念と解消のヒント
・「デジタルが苦手な職員が多い」
→ 導入時の操作研修を“実演形式”で実施。チュートリアル動画や紙マニュアルも併用
・「利用者や家族に伝わるか不安」
→ IT導入=効率化ではなく、「よりやさしく、より安全に」の視点で丁寧に説明する
・「DXが目的化してしまっている」
→ 技術は“手段”。導入目的は「介護の質を高め、らしさを守ること」と常に明示しておく
まとめ:テクノロジーは、“あたたかい施設”の味方になる
介護におけるDXとは、人を置き換えるものではなく、“人らしい関わり”を支える土台です。
テクノロジーは冷たくも無機質でもない。使い方次第で、信頼・やさしさ・つながりを深める力になります。
“あたたかい施設”であり続けるために、今こそやさしいDXをはじめましょう。
この記事の監修
ブランディング・ディレクター 豊田 善久
1979年生まれ、東京都出身。学校卒業後、印刷会社で現場を経験。広告代理店勤務を経てブランディング会社であるパドルデザインカンパニー勤務。病院、クリニック、介護施設、訪問サービスなど、医療・介護業界のホームページ制作やパンフレット、リーフレット、動画制作などに多数携わる。あらゆる業種・業界への企画提案経験をもとにお役立ち情報を発信しています。
東京港区のブランディングカンパニー
パドルデザインカンパニーは、5職種で編成されたブランディングカンパニー。ブランドコンサルティングとデザイン会社の両側面を持ち合わせ、クライアントの課題に実直に向き合います。南青山に構える本社を主な拠点に、東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3件を中心に、北海道から沖縄まで全国対応可能です。