Key Point
家族が“本音で話せる”窓口づくり|信頼される相談体制とは
ホーム成功の秘訣家族が“本音で話せる”窓口づくり|信頼される相談体制とは
Key Point
“話しやすさ”が、施設の信頼をつくる。
相談のしやすさが、“任せたい”につながる。

家族の不安を受け止める「空気」をつくれていますか?

介護施設における“信頼される窓口”とは、単に相談に答える場ではありません。
ご家族は、入居後もずっと、大小さまざまな不安や迷いを抱えています。
「最近の様子は?」「看取りの時期は?」「もっとしてあげられたことはなかったか?」
――そんな“答えのない感情”にも寄り添えるかどうかが、施設の価値を大きく左右します。

本記事では“本音で話せる関係性”を育てる相談体制づくりについてご紹介します。

信頼される相談窓口づくりのポイント

01.「何を話してもいい」と思ってもらえる“心理的安全性”
・受付や応接室など“話す空間”の雰囲気も大切(圧迫感のない空間・座りやすいイス・壁飾りなど)
・「どんなことでもご相談ください」「ご家族の気持ちも大切にします」という表現をパンフレットや掲示にも明記
・初回対応の印象が、その後の関係性を左右するため、“共感ファースト”の応対を徹底

02.職員全体で“聴く文化”を育てる
・相談窓口担当者だけに任せるのではなく、全職員が“家族対応者”である意識を持つ
・日々の声かけ・ふとした表情から気づき、相談につなげる“気づき連携”の習慣化
・職員間で「最近こんなご家族の様子があった」と共有する文化を持つことが、対応の質を高める

03.“話しやすい仕掛け”をつくっておく
・定期的な“ゆるやか相談日”や“家族フリートークカフェ”などを開催し、「悩みを言語化できる場」を用意
・施設側から「最近、何かご心配なことはありませんか?」と問いかけるタイミングをつくる
・「相談されるのを待つ」のではなく、「安心して話せる環境をつくる」ことが重要

“本音で話せる”環境が施設にもたらす効果

クレームの“未然予防”につながる
→ 小さな違和感を気軽に言える環境が、大きなトラブルを防ぐ

「ここに任せてよかった」という安心感を育てる
→ 不安を話せたことで、「一人で抱えていた感情が軽くなった」と感じてもらえる

“人で選ばれる施設”という信頼が広がる
→ 雰囲気・姿勢・やさしさが、紹介・口コミ・採用にも好影響

信頼される相談体制構築のよくある課題と解決のヒント

・「忙しくて、じっくり話を聴く時間がない」
→ 相談の一次受付だけでも“誰かが対応してくれる”安心感をつくり、後日フォロー体制を明確にする

・「職員によって対応に差がある」
→ “家族対応マニュアル”だけでなく、“対応エピソード共有会”で職員の経験知を活かす

・「ご家族が遠慮して相談してこない」
→ 面談の目的を“状況説明”から“感情共有”へ切り替え、職員側から“声をかける姿勢”を見せる

まとめ:信頼は、“話せる関係性”から育つ

家族にとって、施設は「大切な人を任せる場所」であると同時に、「自分の気持ちを委ねる場所」でもあります。
“話せる安心”が、“任せたい”という気持ちにつながり、やがて“紹介したい”という信頼へと広がっていきます。
相談とは、対応することではなく、「心に居場所をつくること」。
今こそ、“本音で話せる窓口”を施設の文化として育てていきましょう。

この記事の監修

ブランディング・ディレクター 豊田 善久
1979年生まれ、東京都出身。学校卒業後、印刷会社で現場を経験。広告代理店勤務を経てブランディング会社であるパドルデザインカンパニー勤務。病院、クリニック、介護施設、訪問サービスなど、医療・介護業界のホームページ制作やパンフレット、リーフレット、動画制作などに多数携わる。あらゆる業種・業界への企画提案経験をもとにお役立ち情報を発信しています。

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