Key Point
“伝える”から“一緒に考える”へ|家族向け定例会・個別面談の設計術
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Key Point
“説明の場”が、“信頼を育てる場”に変わる
家族と“共に考える姿勢”が、施設の価値になる

情報共有だけでは、信頼は育たない

定例の家族面談や集まりを「説明会」「報告会」として終わらせてしまっていないでしょうか?
確かに、情報をしっかり伝えることは大切です。しかし、それだけでは“伝わっているようで、伝わっていない”。
「話を聞いてくれた」「一緒に考えてくれた」――そんな経験が、家族との関係を信頼に変えていきます。

本記事では、家族との“協働型”コミュニケーションを育てる定例会・面談の設計術をご紹介します。

家族との信頼を育てる定例会・面談のポイント

01.“報告の場”から“対話の場”へ転換する
・職員が一方的に話す形式から、ご家族が自由に質問・意見を出せる双方向型に設計
・テーマをあらかじめ提示(例:「日常生活の様子」「食事の悩み」「今後の介護方針」など)し、安心して話しやすくする
・意見をメモしながら聴き、後日フォローも行うことで「聞くだけで終わらない」信頼が生まれる

02.“感情の共有”を受け止める時間をつくる
・「最近、ご心配なことはありませんか?」「悩んでいることはありませんか?」という問いかけを明示的に行う
・表情やトーンに注目しながら、気持ちの部分を汲み取る姿勢を大切に
・正解を示すより、「一緒に考えさせてください」というスタンスが心の距離を縮める

03.“未来を共に描く”対話設計へ
・「来月はこんな取り組みを予定しています」「○○さんの〇年後の姿を一緒に考えましょう」など、未来志向の話題を入れる
・認知症進行時や看取り期の話題も、“選択肢”と“価値観の確認”をテーマにすれば前向きな対話に変わる
・「家族の想い」がケア方針に反映される実感が、“任せたい”という安心感を育てる

“一緒に考える場”がもたらす施設の価値

家族が“施設の一員”と感じられる
→ 信頼関係が強まり、クレーム・不信感の予防にもつながる

職員にとっても“仕事の意味”を再確認できる
→ 家族の想いに触れることで、ケアの原点や施設の理念に立ち返る機会に

施設のブランディング資産として活かせる
→ 「家族との関係性を大切にする施設」として、紹介や広報の差別化要素になる

家族向け定例会・個別面談のよくある課題と改善のヒント

・「話が毎回“報告”だけで終わってしまう」
→ 面談フローに「意見を伺う時間」や「質問カード記入」など双方向設計を取り入れる

・「感情的な話題への対応が苦手」
→ ケアマネや相談員と連携し、“聴く役割”と“支える役割”を分けて対応する仕組みをつくる

・「ご家族が遠慮して話してこない」
→ 少人数・テーマ別の会や、カジュアルな“お茶会形式”など、形式を柔らかくする工夫を加える

まとめ:“一緒に考える時間”が、信頼を育てる文化になる

説明は情報の伝達。
でも、信頼は「気持ちを聞いてくれた」「一緒に悩んでくれた」経験から生まれます。
定例会や面談は、“心を通わせる時間”として設計することで、家族との関係性が深まり、施設の魅力として育っていきます。
今こそ、「伝える」から「共につくる」へ──家族と並んで歩む場づくりを始めてみましょう。

この記事の監修

ブランディング・ディレクター 豊田 善久
1979年生まれ、東京都出身。学校卒業後、印刷会社で現場を経験。広告代理店勤務を経てブランディング会社であるパドルデザインカンパニー勤務。病院、クリニック、介護施設、訪問サービスなど、医療・介護業界のホームページ制作やパンフレット、リーフレット、動画制作などに多数携わる。あらゆる業種・業界への企画提案経験をもとにお役立ち情報を発信しています。

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パドルデザインカンパニーは、5職種で編成されたブランディングカンパニー。ブランドコンサルティングとデザイン会社の両側面を持ち合わせ、クライアントの課題に実直に向き合います。南青山に構える本社を主な拠点に、東京・神奈川・千葉・埼玉の13件を中心に、北海道から沖縄まで全国対応可能です。