Key Point
患者に届く“ことば選び”の技術|医療パンフレットのコピー設計術
ホーム成功の秘訣患者に届く“ことば選び”の技術|医療パンフレットのコピー設計術
Key Point
伝えたいなら、やさしい言葉で話しかける
医療の専門性も、人の温かさも“言葉”で伝わる

“書いたつもり”が“伝わった”とは限らない

医療機関のパンフレットでは、診療科の説明や治療方針、院長メッセージなど、たくさんの「伝えたいこと」が詰まっています。
でも、その言葉は本当に患者に届いているでしょうか?
医療者にとっては当たり前の言葉も、患者にとっては“不安を生む専門用語”かもしれません。

本記事では、読み手の立場に立って「信頼される言葉」を選ぶためのコピー設計術を解説します。

“届く言葉”を選ぶ3つのコピー設計ポイント

01.専門語は“かみくだいた説明”とセットで
・NG例:「慢性閉塞性肺疾患(COPD)や心不全の管理を行います」
・改善例:「長く続く咳や息切れなど、呼吸がつらくなる症状に対して、生活を支える治療を行います」
伝えたい専門性はそのままに、“実際にどう困っている人に役立つのか”という表現に変換する

02.主語を“あなた”にして話しかける文体に
・NG例:「当院では、地域密着型の医療を提供しています」
・改善例:「あなたとご家族の“日常の安心”を、近くで支えるクリニックです」
一方通行の説明よりも、“あなたに向けた言葉”のほうが心に届く

03.数字や形容詞より、“具体的な情景”を描く
・NG例:「高品質で安心な医療を提供」
・改善例:「診察のたびに、どんな小さな違和感も聞き取れるように時間をかけています」
“行動ベースの表現”が、説得力と信頼感を生む

パンフレット制作のよくある課題とその改善ヒント

・「説明文が長くて読まれない」
→ 文章を短く区切り、“見出し”や“太字キーワード”でリズムをつける

・「医師の専門性をどう表現すればいいかわからない」
→ 専門用語+“それが誰の、どんな役に立つか”をセットにする

・「患者の反応がわからない」
→ パンフレットにQRやアンケートフォームをつけ、感想や質問を集める仕掛けを設計する

まとめ:“ことばの設計”が、信頼を届ける医療の第一歩になる

どれだけ設備が整っていても、どんなに実績があっても、患者が感じるのは“言葉の温度”です。
やさしく、具体的で、信頼がにじむ言葉を選ぶことで、パンフレットは「読む広報紙」から「伝わる広報誌」へと進化します。
医療の安心感は、“ことば選び”からはじまる。
あなたの医院の魅力を、あたたかく誠実に届ける言葉を、一緒に設計していきましょう。

この記事の監修

ブランディング・ディレクター 豊田 善久
1979年生まれ、東京都出身。学校卒業後、印刷会社で現場を経験。広告代理店勤務を経てブランディング会社であるパドルデザインカンパニー勤務。病院、クリニック、介護施設、訪問サービスなど、医療・介護業界のホームページ制作やパンフレット、リーフレット、動画制作などに多数携わる。あらゆる業種・業界への企画提案経験をもとにお役立ち情報を発信しています。

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パドルデザインカンパニーは、5職種で編成されたブランディングカンパニー。ブランドコンサルティングとデザイン会社の両側面を持ち合わせ、クライアントの課題に実直に向き合います。南青山に構える本社を主な拠点に、東京・神奈川・千葉・埼玉の13件を中心に、北海道から沖縄まで全国対応可能です。