ただ「新しくする」ではなく、「より伝わる」へ
「情報が古くなったから更新したい」
「デザインが時代に合わなくなってきた」
――そんな理由でパンフレットのリニューアルを検討する医療機関は多くあります。
でもその機会は、単なる更新ではなく、“自院らしさ”を再確認して言葉や構成を整える好機でもあります。
本記事では、パンフレットをリニューアルする際に見直しておきたい7つの視点を解説します。
リニューアル時に見直すべき7つの視点
01.このパンフレットは“何のために”作るのか?
・「伝えること」ではなく「何を感じてもらいたいか」を起点に設計
・例:「安心できる」「ここなら相談できそう」「信頼できる人がいそう」など、感情ベースの目的設定が大切
02.誰がどんな状況で手に取るのか?
・初診患者?高齢の家族?紹介元?地域住民?
・設置場所(院内/薬局/イベント)と、受け手の状態をセットで想定
・「その人の視点で読んでみる」ことが、構成改善のヒントになる
03.構成や情報量は“ちょうどいい”か?
・詰め込みすぎていないか/逆に情報が足りていない部分はないか
・内容を分類して、読み手ごとに分冊化・ページ分けするのも一案
04.トーンは“今の自院”に合っているか?
・開業当初とスタッフ構成や雰囲気が変わっていないか
・ことばの柔らかさ/写真の温度感など、“伝えたい空気”にアップデートされているかを確認
05.医院の“らしさ”が滲んでいるか?
・汎用的な表現ばかりでは、自院の魅力は伝わりにくい
・理念/エピソード/スタッフの言葉など、他院と差がつく“文化や想い”を盛り込めているか
06.導線設計が“行動につながる流れ”になっているか?
・読んだ後のアクションが自然に起こせるような導線があるか(例:LINE登録/予約案内/相談窓口など)
・WebやSNSとの連携があるか/わかりやすく誘導できているか
07.見た目は“今の時代の読みやすさ”に沿っているか?
・フォントサイズ/色のコントラスト/写真の配置など
・高齢者やスマホ慣れしていない層にも“読みやすく・見やすい”デザインになっているかチェック
パンフレット制作のよくある失敗と改善のヒント
・「新しいのに、印象が変わらない」
→ “見た目だけの更新”になっていないか確認し、メッセージ・言葉・構成の軸から見直す
・「きれいに整いすぎて、熱量が消えた」
→ きれいすぎる=“無機質”に感じられることも。写真・一言コメント・手書き風の挿絵などで温度を補う
・「内容をアップデートしすぎて、誰向けか見えなくなった」
→ 全体をひとつでまとめず、ターゲット別にパンフレットを複数に分けるという選択肢も視野に
まとめ:パンフレットのリニューアルは、“医院を見つめ直す機会”でもある
パンフレットをつくり直すときは、単なる情報更新ではなく、「自分たちは誰に、どうありたいか」を考える絶好のチャンス。
制作会社に依頼する前に、自院で7つの視点を棚卸ししておくことで、中身も見た目も“届くパンフレット”へと進化します。
“らしさ”が伝わるパンフレットを目指し、ぜひ再構築してみてください。
この記事の監修
ブランディング・ディレクター 豊田 善久
1979年生まれ、東京都出身。学校卒業後、印刷会社で現場を経験。広告代理店勤務を経てブランディング会社であるパドルデザインカンパニー勤務。病院、クリニック、介護施設、訪問サービスなど、医療・介護業界のホームページ制作やパンフレット、リーフレット、動画制作などに多数携わる。あらゆる業種・業界への企画提案経験をもとにお役立ち情報を発信しています。
東京港区のブランディングカンパニー
パドルデザインカンパニーは、5職種で編成されたブランディングカンパニー。ブランドコンサルティングとデザイン会社の両側面を持ち合わせ、クライアントの課題に実直に向き合います。南青山に構える本社を主な拠点に、東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3件を中心に、北海道から沖縄まで全国対応可能です。