“三つ折り”リーフレットは、小さいけれど“物語性のあるメディア”
A4用紙を三つに折るだけのシンプルな紙面。でもそこには、順序立てて伝えられる設計の力が詰まっています。
ポスターのように一気に見せるのではなく、折りをめくるごとに情報を少しずつ明かすことで、受け手の関心をひきつけながら読ませることができます。
本記事では、医療機関の広報において三つ折りリーフレットを活用する際の基本設計と応用テクニックを紹介します。
リーフレット設計|6面それぞれの役割と見せ方
▢表1面:表紙(外側・一番見える面)
・“最初の一言”が命。「〇〇でお悩みの方へ」「初めての〇〇でも安心」など、読み手に語りかけるキャッチコピーを配置
・医院名やロゴ、写真で“第一印象”をつくる
▢表2面:背面(裏表紙にあたる)
・アクセス・連絡先・診療時間・QRコードなど、行動を起こすための情報を集約
・SNSやLINEへの導線もここに
▢表3面:折り込み面(最後に開かれる面)
・医院の理念や想い、スタッフ紹介など、“人柄”を感じられる内容を配置
・ストーリー要素や写真が効果的
▢中面1(開いて最初に見える左面)
・「〇〇とは?」という導入解説や、来院理由の整理
・読み手が自分ごととして読み進められる構成にする
▢中面2:中央面(メイン情報)
・診療内容・対象者・特徴・流れなどをわかりやすく図解・箇条書きで整理
・図表やイラストで視認性を高める
▢中面3:右側面(行動喚起・クロージング)
・「まずはお気軽にご相談ください」などのやさしい誘導
・LINE登録・Web予約の流れなど、次のアクションを後押しする導線設計を
三つ折りのリーフレット構成に効く3つの工夫ポイント
01.「順序」で読ませる“物語設計”にする
・表紙→中面→裏面…の流れを“ストーリー”のように組み立てると、読み進められやすい
・例:「どんな悩みに対応」→「どう支援できるか」→「どう連絡すればいいか」
02.“持ち帰りたくなるリーフレット”にする
・持ちやすさと情報量のバランスがあるリーフレットは、「あとで家族にも見せよう」と思ってもらえる
・診察や相談につながる“口実”になる紙面が理想(例:「ご家族とご相談のうえでご連絡ください」)
03.“1テーマ完結”の潔さを大切に
・パンフレットとの違いは「情報を詰め込みすぎないこと」
・リーフレット1枚=“ひとつのテーマだけをきちんと伝える”を意識すると、読み手の理解度が高まる
リーフレット制作のよくある課題と改善のヒント
・「詰め込みすぎて読まれない」
→ 内容を“1テーマに絞る”ことで、目的や印象が明確に伝わる
・「表紙に何を書けばいいかわからない」
→ “誰に向けたリーフレットか”を明言するキャッチコピーが効果的(例:「在宅医療をご検討のご家族へ」)
・「紙面構成がわかりにくい」
→ 6面の展開を“順番に見せる構成”として組み立てる/1面=1メッセージの設計で整理する
まとめ:“3つ折りリーフレットの設計力”は、“小さなストーリーブック”
三つ折りリーフレットは、ただの情報ツールではなく、読み手の気持ちを導く小さなストーリーブックです。
読みやすく、伝わりやすく、持ち帰りやすい――
そんな“使えるリーフレット”にするには、構成・言葉・見せ方の三拍子を揃える設計が重要です。
「小さなリーフレットで、大きな反応」を得る。
その力を、ぜひ活かしていきましょう。
この記事の監修
ブランディング・ディレクター 豊田 善久
1979年生まれ、東京都出身。学校卒業後、印刷会社で現場を経験。広告代理店勤務を経てブランディング会社であるパドルデザインカンパニー勤務。病院、クリニック、介護施設、訪問サービスなど、医療・介護業界のホームページ制作やパンフレット、リーフレット、動画制作などに多数携わる。あらゆる業種・業界への企画提案経験をもとにお役立ち情報を発信しています。
東京港区のブランディングカンパニー
パドルデザインカンパニーは、5職種で編成されたブランディングカンパニー。ブランドコンサルティングとデザイン会社の両側面を持ち合わせ、クライアントの課題に実直に向き合います。南青山に構える本社を主な拠点に、東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3件を中心に、北海道から沖縄まで全国対応可能です。