・「病名を出すと重くなってしまう」
→ 病気の名前よりも、“生活の中の気づき”を起点にしたほうが共感と関心が得られやすい
・「読まれても受診に結びつかない」
→ 「話を聞くだけでもOKです」「食事の相談からでも大丈夫」など、“相談だけでも歓迎”の姿勢を強調することで、行動のハードルを下げられる
・「内容が多くなりすぎる」
→ 食事編/運動編/検査編など、1テーマ1リーフレットの分冊構成が読みやすく、家庭内でもシェアされやすい
“深刻すぎず、軽すぎず”がちょうどいい温度感
高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病は、「まだ大丈夫」「そのうち治す」といった“先送り意識”を持たれやすい病気です。
だからこそ、リーフレットでは“今すぐ受診して!”ではなく、“気になったときに安心して相談できる”印象を与える設計が求められます。
本記事では、内科・生活習慣病の患者に向けて“読みやすく行動につながる”リーフレットのつくり方を紹介します。
生活習慣病向けリーフレット設計|3つの視点
01.“自分ごと化”を促す導入コピーを使う
・例:「最近、健康診断で“再検査”のお知らせをもらった方へ」
・「血圧が少し高いと指摘されたけど、何をすればいいかわからない方へ」
→ 病名ではなく、“日常の違和感”から始めるコピーが反応されやすい
02.“責めない言葉”と“安心できる誘導”が鍵
・「生活習慣を見直しましょう」よりも、「一緒に見直していけます」
・「放っておくと危険です」よりも、「早めに気づければ、ゆるやかに整えられます」
→ 読み手がプレッシャーを感じない語り口にすることで、受診へのハードルが下が
03.“数字”と“日常”のバランスをとる
・「HbA1cが○○%」だけでなく、「コンビニ食が続くとどうなる?」のように、日常の具体例で置き換えると理解しやすい
・食事・運動・服薬など、1テーマだけを丁寧に取り上げる設計が◎(例:食事編・運動編・検査編 などシリーズ展開も可)
構成の例|三つ折りリーフレットの場合
▢表紙(1面)
・タイトル:「健康診断で“要注意”だったあなたへ」
・写真:笑顔の高齢者/歩く親子/朝の食卓 など“生活感”あるもの
・コピー:「少し気になった今こそ、身体の声を聞くチャンスです」
▢中面1〜3(展開面)
・① よくあるお悩みQ&A(例:「血圧が高めって、どのくらい?」)
・② 医院でできること・受診の流れ
・③ “続けやすい健康づくり”の小さな提案(例:1日5分の運動/間食の見直し)
▢裏面
・診療時間/連絡先/LINEやWeb予約の案内
・「家族と一緒に来院もOKです」などのやさしいひとこと
リーフレット制作のよくある課題と改善のヒント
まとめ:“ちょっと気になる”を、受診や相談へつなげるリーフレットを
生活習慣病の多くは、“無症状”の段階が長く続きます。
だからこそ、リーフレットは「今すぐ病院へ!」ではなく、“今ならゆるやかに整えられます”という未来への安心感を伝えることが重要です。
1枚のリーフレットが、「ちょっと相談してみようかな」という行動のきっかけになれば、
それはすでに、医院としての価値を十分に果たしていると言えるでしょう。
この記事の監修
ブランディング・ディレクター 豊田 善久
1979年生まれ、東京都出身。学校卒業後、印刷会社で現場を経験。広告代理店勤務を経てブランディング会社であるパドルデザインカンパニー勤務。病院、クリニック、介護施設、訪問サービスなど、医療・介護業界のホームページ制作やパンフレット、リーフレット、動画制作などに多数携わる。あらゆる業種・業界への企画提案経験をもとにお役立ち情報を発信しています。
東京港区のブランディングカンパニー
パドルデザインカンパニーは、5職種で編成されたブランディングカンパニー。ブランドコンサルティングとデザイン会社の両側面を持ち合わせ、クライアントの課題に実直に向き合います。南青山に構える本社を主な拠点に、東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3件を中心に、北海道から沖縄まで全国対応可能です。