“検討中の人”を動かすのが、リーフレットの役割
皮膚科や美容系の診療は、ほかの診療科に比べて「すぐに受診を決めない人」が多い領域です。
とくに自由診療や審美的な悩みの場合、「本当に効果があるの?」「押し売りされそうで不安…」など、迷いの段階が長くなる傾向があります。
だからこそ、リーフレットは“最初の説明ツール”ではなく、“最後の後押しツール”としての設計が効果的です。
“選ばれるリーフレット”に必要な3つの要素
01.読み手の“迷い”を先回りする言葉設計
・例:「無理な勧誘は一切ありません」「診察だけでも大歓迎です」
・“言いにくい本音”を先に出すことで、共感と信頼が同時に得られる
02.“Before→After”を具体的に描く
・肌トラブルが改善した流れや施術後のイメージなど、“未来像”をわかりやすく提示
・写真でなくてもイラストや体験談でも可。変化のイメージが浮かぶと、行動につながる
03.“選ばれる理由”を客観的に伝える
・例:「皮膚科専門医が在籍/カウンセリング無料/トライアルコースあり」
・“他との違い”を明示して、比較検討している人の判断軸に応える
構成例|三つ折りリーフレット(美容皮膚科)
▢表紙(1面)
・タイトル:「ニキビ・しみ・毛穴にお悩みのあなたへ」
・ビジュアル:シンプル&清潔感重視。実在感ある女性の横顔ややさしい手の写真など
・コピー:「“なんとなく不安”を、“なんとなく行けそう”に変える1枚です」
▢中面1〜3(展開面)
・① よくあるお悩み→どう改善できるか(軽いBefore→After紹介)
・② 診療の流れ(カウンセリング→施術内容→アフターケア)
・③ よくある質問と不安への回答(料金・副作用・勧誘の有無など)
▢裏面
・営業時間/料金の目安/初診予約方法(Web・LINE)
・「まずは診察だけでもご相談ください」の一文+安心感のあるQR導線
リーフレットならではの表現アイデア
・“安心を補う”言葉のリズム感を意識する
→ 「完全予約制・人目が気にならない個室対応」「カウンセリングだけでもOK」など“安心要素”を並列で並べると伝わりやすい
・スタッフ紹介を入れると“誰に相談できるか”が見える
→ 担当医のひとことコメント/カウンセラーの顔写真などがあると、「相談しやすそう」が伝わる
・患者の声(ミニ体験談)でリアリティを出す
→ 「最初は緊張していましたが、丁寧に話を聞いてもらえて安心できました」など、短くてもリアルな声が刺さる
リーフレット制作のよくある課題と改善のヒント
・「問い合わせにつながらない」
→ 見た目はきれいでも、“次にどう動けばいいか”が書かれていないと行動にはつながらない。導線を明記する
・「情報を詰め込みすぎて読みにくい」
→ 1枚で完結しようとせず、悩み別にリーフレットを分ける(しみ編・ニキビ編・エイジングケア編など)ことで反応率アップ
・「なんとなく高そうな印象になる」
→ 「◯円〜からご案内できます」「トライアル料金あり」など、価格のハードルを下げる一言が大切
まとめ:選ばれるリーフレットは、“そっと背中を押す存在”である
美容系の診療は、患者自身の意思があってこそ。
だからこそ、紙面の役割は“説明する”ことよりも、「不安をやわらげて、安心して一歩を踏み出せる気持ちを届けること」。
目立たなくてもいい。
でも、確かに心に残るリーフレットを届けることで、選ばれる理由になるのです。
この記事の監修
ブランディング・ディレクター 豊田 善久
1979年生まれ、東京都出身。学校卒業後、印刷会社で現場を経験。広告代理店勤務を経てブランディング会社であるパドルデザインカンパニー勤務。病院、クリニック、介護施設、訪問サービスなど、医療・介護業界のホームページ制作やパンフレット、リーフレット、動画制作などに多数携わる。あらゆる業種・業界への企画提案経験をもとにお役立ち情報を発信しています。
東京港区のブランディングカンパニー
パドルデザインカンパニーは、5職種で編成されたブランディングカンパニー。ブランドコンサルティングとデザイン会社の両側面を持ち合わせ、クライアントの課題に実直に向き合います。南青山に構える本社を主な拠点に、東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3件を中心に、北海道から沖縄まで全国対応可能です。