“通う場所”から、“応援したくなる存在”へ
地域医療機関の広報は、「診療情報を伝えるだけのリーフレット」で終わらせてしまうと、“選ばれる理由”にはなりにくい時代になっています。とくに小規模な医院や在宅診療、専門クリニックなどは、地域との関係性そのものがブランディングの土台です。
だからこそ、リーフレットやフライヤーも「診療案内」ではなく、“関係性を育てるリーフレット”として設計する視点が必要です。
“応援される医院”になるための広報紙3つの視点
01.理念や想いを“やさしい言葉で”伝える
・例1:この町の健康を、長く支えていきたい
・例2:気になることがあれば、顔を見に来てください
→ 形式的な文章ではなく、“語りかける一言”を冒頭に置くだけで印象が大きく変わる
02.“地域とのつながり”を見せる構成にする
・地元イベントへの参加/地域の学校やお店との連携など、「ここで生きている医院」感が伝わる
・「〇〇商店さんの協力で健康講座を開催しました」など、人の名前や地名を出すことで親近感アッ
03.“医院の顔”が見える紙にする
・院長・スタッフの写真や一言メッセージ
・「最近スタッフで話題の健康法」「町内で人気のスポット」など、医院の“人となり”をにじませる内容もOK
構成例|A4リーフレット(地域住民向け)
▢上部
・キャッチコピー:〇〇町で、今日も診療しています
・写真:医院外観/スタッフと患者の自然な様子/地域の風景
・メッセージ:医療だけでなく、“見守り”や“つながり”も届けていきます
▢中部
・診療科と取り組み紹介(在宅医療/健診/子育て支援など)
・地元との連携事例やコラボイベント紹介
・「〇〇さん(地域住民)の声」などのミニインタビューも効果的
▢下部
・アクセス情報/診療時間/LINE・SNS・Web案内
・「この紙、誰かに渡したくなったらぜひ」と書き添えると拡散効果も
広報紙に載せられる“地域との関係性”の要素例
・町内会・商店街との取り組み(イベント協賛/健康講座 など)
・子どもや高齢者との交流(保育園訪問/健康チェック会 など)
・地域清掃・花壇づくりなどの小さな活動
・地域住民の“ひとこと”紹介:「医院のここが好き」など
→ “応援される医院”の証拠として、これらをリーフレットに載せると強い共感を生む
リーフレット制作のよくある課題と改善ヒント
・診療案内だけだと印象に残らない
→ 医療情報+“地域への気持ち”や“人の存在感”を載せるだけで、親近感と信頼が生まれる
・SNSでは発信しているが、紙面には出せていない
→ SNSでの取り組みをリーフレットで“紙化”することで高齢層にも届く
・「広報紙が“お知らせ”っぽくて堅い」
→ 表現を“会話文”に変えるだけでやわらかくなる
例:「こんなご相談も増えています」→「最近、こんな声をよく耳にします」
まとめ:“診療の案内”から、“町の仲間としての広報”へ
応援される医院になるには、「いい医療をしている」だけでは届きません。
“この町で、誰のために、どんな思いで診療しているのか”が紙面で伝わることで、信頼とつながりが育ちます。
地域住民が「ここがあってよかった」と思えるようなリーフレットを、“人の言葉”でぜひ届けていきましょう。
この記事の監修
ブランディング・ディレクター 豊田 善久
1979年生まれ、東京都出身。学校卒業後、印刷会社で現場を経験。広告代理店勤務を経てブランディング会社であるパドルデザインカンパニー勤務。病院、クリニック、介護施設、訪問サービスなど、医療・介護業界のホームページ制作やパンフレット、リーフレット、動画制作などに多数携わる。あらゆる業種・業界への企画提案経験をもとにお役立ち情報を発信しています。
東京港区のブランディングカンパニー
パドルデザインカンパニーは、5職種で編成されたブランディングカンパニー。ブランドコンサルティングとデザイン会社の両側面を持ち合わせ、クライアントの課題に実直に向き合います。南青山に構える本社を主な拠点に、東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3件を中心に、北海道から沖縄まで全国対応可能です。