“全体の想い”と“それぞれの顔”を両立するリーフレット設計へ
医療法人が複数のクリニック・施設を展開している場合、広報紙でよくあるのが、
・施設ごとの紹介が羅列されていて“まとまりがない”
・法人理念は書かれているが“個々の施設の姿が見えない”
という両極端な紙面設計です。
大切なのは、「ひとつの想いが、いろんな形で実現されている」というストーリー性
本記事では、複数拠点を“まとめて伝える”リーフレット設計のポイントをご紹介します。
“法人の想いを1枚のリーフレットで伝える”ための3ステップ設計
01.共通の理念・ビジョンを“やさしく”冒頭に掲げる
・例:〇〇のまちで、“ともに生きる医療”を届けたい
・理念をスローガン化せず、現場での実践がにじむ言葉にすると伝わりやすい
02.拠点ごとの役割・強みを“横並び比較”で構成する
・一覧やマトリクス形式で、各施設の特徴(診療科・対応・地域役割)を明示
・例:「〇〇クリニック=生活習慣病の管理」「△△医院=在宅支援拠点」など
→ “機能分担”が見えると、紹介・相談しやすくなり、外部理解が進む
03.“働く人”の声で法人の文化を見せる
・複数拠点からスタッフコメントを集めて掲載
・「共通して大事にしていることは?」「それぞれの職場の空気は?」など
→ 言葉に共通性があれば、“理念が浸透している法人”という印象に
構成例|A4両面リーフレット(法人全体紹介用)
▢表面
・タイトル:〇〇医療法人グループのご紹介
・理念・ビジョン:まちに根づき、暮らしを支える医療を
・ビジュアル:各拠点写真を1点ずつ+法人ロゴ/職員集合カットなど
・MAP:拠点ごとの位置と診療内容を一望できる地図
▢裏面
・① 施設ごとの特徴一覧(アイコン付き/診療科/役割など)
・② スタッフの声(拠点ごと1コメントずつ)
・③ 外部連携・お問い合わせ先(紹介状送付・見学・求人など目的別に)
見せ方の工夫:同じ紙面で“多拠点の個性”を活かすには?
・統一フォーマットで施設紹介(デザイン・文字数・写真サイズ)を揃える
・“診療だけでない特色”も並列で紹介(例:地域イベント/予防活動/職員研修 など)
・法人ロゴやカラーを統一しつつ、小見出しや写真で個性が際立つよう設計する
よくある課題と改善ヒント
・施設ごとに出していたリーフレットをまとめたが、伝わりづらい
→ “施設紹介の寄せ集め”ではなく、「共通の想いの下に多様性がある」ストーリー構成に切り替える
・どこに何を相談すればいいかがわかりづらい
→ 一覧表に「対応できること」をアイコン+言葉でまとめると、地域連携先や住民にもわかりやすい
・リーフレットはあるが“使われていない”
→ 窓口・紹介・見学・採用など用途ごとに“このリーフレットを渡すとちょうどいい”というシーンをつくることが大切
まとめ:“つながっている”を見せるリーフレットが、信頼を育てる
多拠点の医療法人こそ、「バラバラに見えない工夫」が求められます。
その鍵は、理念・個性・人を“1枚のリーフレットで調和させる設計”にあります。
どの施設に行っても、同じ想いが流れている。
そんな安心感を、ぜひリーフレットでも体現していきましょう。
この記事の監修
ブランディング・ディレクター 豊田 善久
1979年生まれ、東京都出身。学校卒業後、印刷会社で現場を経験。広告代理店勤務を経てブランディング会社であるパドルデザインカンパニー勤務。病院、クリニック、介護施設、訪問サービスなど、医療・介護業界のホームページ制作やパンフレット、リーフレット、動画制作などに多数携わる。あらゆる業種・業界への企画提案経験をもとにお役立ち情報を発信しています。
東京港区のブランディングカンパニー
パドルデザインカンパニーは、5職種で編成されたブランディングカンパニー。ブランドコンサルティングとデザイン会社の両側面を持ち合わせ、クライアントの課題に実直に向き合います。南青山に構える本社を主な拠点に、東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3件を中心に、北海道から沖縄まで全国対応可能です。