Key Point
その備蓄、伝わっていますか?“見える化”で安心を提供する仕掛け
ホーム成功の秘訣その備蓄、伝わっていますか?“見える化”で安心を提供する仕掛け
Key Point
「備えている安心」を、きちんと伝えていますか?
備蓄や体制を“見える形”で発信しましょう

「備えているけど、伝わっていない」では意味がない

医療機関として災害に備えることは、今や当たり前になりました。しかし、その備えが“患者や地域に伝わっていない”というケースは意外と多くあります。
「備蓄しているのに、家族は不安を感じている」「BCPは整備したが、職員すら内容を知らない」──これは備えが“見えない”ことによる機会損失です。

本記事では、防災の取り組みを“見える化”し、信頼や安心へと転換するブランディング的視点と、その実践方法を紹介します。

“備えの見える化”が必要な3つの理由

01.患者・家族の不安を軽減し、信頼を育てるため
・「もしもの時もこの病院なら大丈夫そう」と感じてもらえることは、無形のサービス価値
・備蓄や対応体制を公開することで、選ばれる理由・安心できる理由になる
・外来患者・入院中の家族への周知で、医療機関としての責任感が伝わる

02.職員の安心感と当事者意識を高めるため
・備蓄内容や対応方針を知ることで、「自分はどう動くべきか」が明確に
・非常時の役割分担や、使える物資の把握にもつながる
・新人や非常勤職員の不安解消にも効果的

03.地域・行政との信頼構築に役立つため
・災害時、地域拠点としての役割を担う医療機関は、備えの情報開示が信頼性につながる
・行政や他機関とスムーズな連携を図るための基盤になる
・「この病院があるから安心」という評価は、ブランディング上の大きな強み

“見える化”を形にする具体的アイデア

施設内掲示(防災ボード、ポスター)で可視化する
→ 備蓄品目・保管場所・更新履歴などを図解で掲示。見える安心感を提供

WebサイトやSNSでの発信を定期的に行う
→ 「備蓄の中身紹介」「防災週間の取り組み」「災害訓練の様子」など、写真付きで紹介
→ 安心感だけでなく、理念とのつながりも伝えるチャンスになる

職員向けに“防災ポケットマニュアル”を配布する
→ 持ち歩けるコンパクトサイズで、内容は役割別に分けて記載
→ 備蓄物資の場所や使用方法、緊急連絡先などを記載しておくと実用性も高い

「安心を届ける取り組み」として見学・広報に活用
→ 採用時の施設案内や地域説明会などで、「当院の防災対策」として見せられると好印象
→ 医療・安全に対する姿勢がブランディングに直結

防災の取り組みでよくある課題と改善策

・「備蓄はあるけど、どこに何があるのか分からない」
→ 図入りの配置マップ、定期的なチェックリスト運用、ラベル貼付で誰でも把握できる状態に

・「Webサイトに情報が載っていない(or 更新されていない)」
→ 月1の投稿や、災害月(9月など)に合わせた発信計画を組み、継続的に見せていく

・「発信しているが、理念との関係が伝わらない」
→ 「患者に寄り添う医療」「地域と共にある医療」など、理念の一節と紐づけて紹介すると効果的

まとめ:“見せる備え”が、医療機関の信頼を高める

災害対策は、医療機関としての当然の責務であると同時に、信頼される施設づくりの鍵でもあります。
備蓄・訓練・体制整備という“見えにくい努力”を、伝わる形で見せることが、安心と信頼を生み出すのです。
今ある備えを「見せる力」へ――。それが、地域に選ばれる病院の条件のひとつです。

この記事の監修

ブランディング・ディレクター 豊田 善久
1979年生まれ、東京都出身。学校卒業後、印刷会社で現場を経験。広告代理店勤務を経てブランディング会社であるパドルデザインカンパニー勤務。病院、クリニック、介護施設、訪問サービスなど、医療・介護業界のホームページ制作やパンフレット、リーフレット、動画制作などに多数携わる。あらゆる業種・業界への企画提案経験をもとにお役立ち情報を発信しています。

東京港区のブランディングカンパニー

パドルデザインカンパニーは、5職種で編成されたブランディングカンパニー。ブランドコンサルティングとデザイン会社の両側面を持ち合わせ、クライアントの課題に実直に向き合います。南青山に構える本社を主な拠点に、東京・神奈川・千葉・埼玉の13件を中心に、北海道から沖縄まで全国対応可能です。