“第一印象”は数字以上に強力な決定要因
入居率を上げるためのマーケティング施策は数多くありますが、現場体験の印象に勝る決め手はありません。
「なんとなく雰囲気がいい」「ここなら安心できそう」など。
その感覚は、見学や体験入居の短い時間で生まれます。
この“ファースト体験”のUX(ユーザー体験)を高めることが、選ばれる施設になるための最大の近道です。
見学・体験入居のUX改善ポイント
01.「来訪前」から始まっているUX設計
・予約時の対応スピードや電話口の印象も判断材料
・事前に施設の特徴や流れが伝わるパンフレットや動画を送付しておくと安心感UP
02.“案内の順番と説明内容”にストーリー性を持たせる
・受付 → 居室 → 共有スペース → 食堂 → スタッフ紹介 の順で、生活を具体的に想像できる導線に
・「どう暮らせるか」を軸に話すことで、施設の魅力が“我がこと”として伝わる
03.“スタッフと入居者の自然な関わり”を見せる
・あらかじめ“演出”をするのではなく、日常の中での温かい関係性を見てもらう
・スタッフの挨拶・笑顔・距離感が、そのままブランド価値に変わる
04.体験入居者には“1対1のフォロー体制”を明示
・「困ったらこの人に頼めばいい」という安心があるだけで、印象が大きく変わる
・滞在中の感想をヒアリングし、フィードバックを丁寧に受け止める姿勢が信頼感に
見学・体験入居でよくある課題
・案内担当者が毎回異なり、説明にばらつきがある
→ 専任担当制、または見学対応マニュアル+ロールプレイで統一
・「施設紹介」だけになっており、生活イメージが湧かない
→ 一人称視点で「この部屋から朝の光が気持ちよく入ります」など語る
・“最後のクロージング”が曖昧
→ 「何かご不安な点はありますか?」「他施設と比べた際に気になる点は?」など踏み込んだ対話を意識
まとめ:「見学体験=施設の人格」と捉える
見学や体験入居は、ただの案内ではなく、“施設が自分をどう扱ってくれるか”を感じる瞬間です。
体験UXを丁寧に設計し、安心と期待を感じさせることが、数ある選択肢の中から「ここに決めよう」と思わせる決定打になります。
“その日、その場”の印象が、未来の入居につながるのです。
この記事の監修
ブランディング・ディレクター 豊田 善久
1979年生まれ、東京都出身。学校卒業後、印刷会社で現場を経験。広告代理店勤務を経てブランディング会社であるパドルデザインカンパニー勤務。病院、クリニック、介護施設、訪問サービスなど、医療・介護業界のホームページ制作やパンフレット、リーフレット、動画制作などに多数携わる。あらゆる業種・業界への企画提案経験をもとにお役立ち情報を発信しています。
東京港区のブランディングカンパニー
パドルデザインカンパニーは、5職種で編成されたブランディングカンパニー。ブランドコンサルティングとデザイン会社の両側面を持ち合わせ、クライアントの課題に実直に向き合います。南青山に構える本社を主な拠点に、東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3件を中心に、北海道から沖縄まで全国対応可能です。