クレームは“問題”ではなく“期待の裏返し”
介護施設に寄せられるクレームや苦情は、ネガティブなものとは限りません。
むしろ「良くなってほしい」「大切な人を安心して預けたい」という期待があるからこその声であり、
その対応次第で施設の評価は大きく変わります。
クレームを信頼強化につなげる対応戦略
01.クレームを受けた“瞬間”の対応が最重要
・言い訳や反論ではなく、まずは感謝と共感
・例:「教えていただきありがとうございます」「お気持ち、よくわかります」
02.組織全体で“対応のトーン”を揃える
・受けた本人と他スタッフで言動に差があると、不信感に直結
・クレーム対応マニュアルの整備だけでなく、接遇トレーニングやロールプレイ研修が有効
03.“事実確認”と“真摯な対話”の両立を意識する
・問題の内容を客観的に把握しつつ、感情の受け止めも怠らない
・「今後どう改善されるのか」を、具体的な行動で伝えることがポイント
04.対応後の“継続フォロー”が信頼を深める鍵
・「その後いかがですか?」という一言で、印象が180度変わることも
・一度クレームがあった家族ほど、丁寧なフォローで“強いファン”になりやすい
クレーム対応のよくある失敗パターン
・個人対応に任せきりで、組織として学びにつながらない
・“謝罪のみ”で終わり、具体的改善アクションが不透明
・クレームが“怖いもの”という空気があり、報告されにくい
→クレーム対応は、“組織の成長を加速させる宝”として扱う姿勢が大切です。
まとめ:対応力は“最もリアルなブランディング”である
いくら美しい理念やパンフレットを掲げていても、いざというときの対応が雑であれば、信頼は失われます。
逆に、トラブル時に誠実で丁寧な対応をすれば、利用者や家族の印象はぐっと高まり、
「この施設なら何かあっても安心」と感じてもらえるようになります。
クレームは信頼の“再構築チャンス”であるという意識が、真のホスピタリティを育みます。
この記事の監修
ブランディング・ディレクター 豊田 善久
1979年生まれ、東京都出身。学校卒業後、印刷会社で現場を経験。広告代理店勤務を経てブランディング会社であるパドルデザインカンパニー勤務。病院、クリニック、介護施設、訪問サービスなど、医療・介護業界のホームページ制作やパンフレット、リーフレット、動画制作などに多数携わる。あらゆる業種・業界への企画提案経験をもとにお役立ち情報を発信しています。
東京港区のブランディングカンパニー
パドルデザインカンパニーは、5職種で編成されたブランディングカンパニー。ブランドコンサルティングとデザイン会社の両側面を持ち合わせ、クライアントの課題に実直に向き合います。南青山に構える本社を主な拠点に、東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3件を中心に、北海道から沖縄まで全国対応可能です。