専門性が“やさしく見える”かどうかが、信頼の鍵になる
医療機関のパンフレットにおいて、専門性や技術力を伝えることは重要です。
しかし、専門性が強く打ち出されすぎると、「難しそう」「とっつきにくい」といった印象を与え、かえって患者との距離が開いてしまうこともあります。
そこで鍵になるのが、“写真と図解”を使って、やさしく、伝わりやすくする工夫。
本記事では、専門性を安心感に変えるためのビジュアル活用術をご紹介します。
“やさしい専門性”を伝える写真・図解のポイント
01.“リアルな日常”が伝わる写真を選ぶ
・院内設備の写真だけでなく、診察風景・笑顔のスタッフ・患者との対話シーンなどを中心に構成
・白衣姿だけでなく、柔らかい服装や、ふとした表情もOK
・「清潔感・あたたかさ・やさしさ」がにじむ写真が、無意識の安心感を生む
02.専門性は“図で見せる”と伝わりやすくなる
・文章で説明するよりも、簡単なフローチャート・イラスト・図解があるだけで理解度が格段に上がる
・例:
-「検査の流れ」→図でステップ紹介
-「治療の選択肢」→比較表で視覚的に伝える
・“難しい内容ほど、図でやさしく”が原則
03.“不安をほどく情報”にビジュアルを添える
・「初診はどんな流れ?」「どんな人がいるの?」という疑問には、写真+一言説明が有効
・患者Q&Aコーナーに吹き出しキャラを使う/「院内のよくある風景」などのビジュアル特集も効果的
・“知らないこと”への不安を、見える化でなくしていく
おすすめビジュアル構成(実践テンプレ)
・表紙:「外観写真+医院の雰囲気が伝わるキャッチコピー」
・院長紹介ページ:顔写真+“想い”を語るコメント+診療シーンのカット
・診療案内:診療科目ごとに“症状アイコン”と“写真付き事例”を添える
・治療の流れ・検査案内:手順フローチャート+安心ポイントを図解
・スタッフ紹介:1人1カット+「好きなもの」「一言メッセージ」で人柄を可視化
・院内紹介:写真付き“院内ツアー風ページ”で安心感アップ
パンフレット制作のよくある課題とその改善ヒント
・「写真が無機質で冷たい印象になる」
→ 表情/光のあたたかさ/背景の生活感を意識して再撮影する
・「図が説明的すぎて読む気が起きない」
→ “色・余白・見出し”を調整して“見る気になる図”に整える
・「写真の人物が硬くなってしまう」
→ 撮影前に雑談・笑顔を引き出す/一眼よりスマホで自然な瞬間を撮るのも効果的
まとめ:“見える工夫”が、信頼と共感を育てる
パンフレットにおける専門性は、「伝えること」以上に「伝わること」が重要です。
写真や図解を使った“やさしい見せ方”こそが、患者にとっての信頼と理解につながります。
堅くて難しい医療情報を、“やさしくて身近”なものに。
その視覚的な工夫のひとつひとつが、「ここにお願いしたい」と思われる医院の空気をつくっていくのです。
この記事の監修
ブランディング・ディレクター 豊田 善久
1979年生まれ、東京都出身。学校卒業後、印刷会社で現場を経験。広告代理店勤務を経てブランディング会社であるパドルデザインカンパニー勤務。病院、クリニック、介護施設、訪問サービスなど、医療・介護業界のホームページ制作やパンフレット、リーフレット、動画制作などに多数携わる。あらゆる業種・業界への企画提案経験をもとにお役立ち情報を発信しています。
東京港区のブランディングカンパニー
パドルデザインカンパニーは、5職種で編成されたブランディングカンパニー。ブランドコンサルティングとデザイン会社の両側面を持ち合わせ、クライアントの課題に実直に向き合います。南青山に構える本社を主な拠点に、東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3件を中心に、北海道から沖縄まで全国対応可能です。