Key Point
制作依頼時に押さえるべき“目的設定シート”のつくり方
ホーム成功の秘訣制作依頼時に押さえるべき“目的設定シート”のつくり方
Key Point
「うまく伝わらない」を防ぐ、準備の一枚
パンフレット制作の鍵は、“目的と言葉”の見える化にある

いいパンフレットは、“作る前”から始まっている

「なんとなく制作会社に依頼したら、出来上がったものがイメージと違った」
「必要な情報はあるのに、なぜか読まれないパンフレットになってしまった」
そんな失敗の多くは、制作の腕ではなく、“依頼時点の目的設計の甘さ”から生まれています。

特に医療機関のパンフレットは、理念・専門性・サービス内容など、多くの情報を「正しく・やさしく・信頼感をもって」伝えることが求められます。そのためには、制作を始める前に“目的と言葉を整えておくこと”が何より大切です。

本記事では、誰でも簡単に使える「目的設定シート」のつくり方と共有のヒントをご紹介します。

“目的設定シート”で整理すべき基本項目

・パンフレットのタイトル(仮)
→ 例:「初診案内パンフレット」「地域向け医院紹介」など

・このパンフレットで達成したいこと(目的)
→ 「初めての患者さんが安心して来院できるようにする」
→ 「医院の方針や雰囲気を地域に伝え、信頼形成を図る」など

・主な読者(ターゲット)
→ 例:「60代以上の地域住民」「小児科を探している母親層」など

・パンフレットが使われる場面(配布シーン)
→ 「受付で手渡す」「初診時に同封する」「院外施設に置く」など

・必ず盛り込みたい要素
→ 医院の特徴、診療科の強み、医師・スタッフの紹介、アクセス情報など

・“伝えたいけれど伝わりにくいこと”
→ 理念や方針、医院らしさ、専門性のやさしい説明など

・参考にしたいパンフレット/避けたい印象
→ 「Aクリニックのようなあたたかいデザイン」「堅すぎず親しみのあるトーン」など

実務で役立つ!目的設定の共有ポイント

・“スタッフの声”も拾っておく
→ 受付・看護師など、現場のリアルな困りごとや患者の声は、パンフレットの設計に生きる貴重なヒントに

・“書ききれなくていい”という前提で始める
→ 書き出すことで、自分たちの伝えたいことが見えてくる。完璧さより「考えるきっかけ」として使う

・“使う場面”までセットで話し合う
→ 「何を載せるか」ではなく、「どんなときにどう渡すか」まで整理しておくと、完成後の活用率が大きく変わる

パンフレット制作のよくある課題とその改善ヒント

・「制作会社に全部お任せにしてしまった」
→ 目的設定シートをもとに“医院からの説明責任”を果たす姿勢が、伝わるパンフレットにつながる

・「内容が毎回ブレてしまう」
→ 一度作った設定シートをチームで共有し、“判断基準”として活用することでぶれない軸に

・「伝えたいことが多すぎてまとまらない」
→ 伝えたい内容は一旦すべて出し、その中から“誰に・何を伝えるか”を絞り込むステップが有効

まとめ:“パンフレットをつくる前に、言葉を整える”が成功の鍵

パンフレットの出来栄えを左右するのは、制作会社の技術だけではありません。
「何のために、誰に向けて、どんな印象を届けたいのか」――
その答えを明確にして共有することが、共感される“医院の顔”を形にする最初の一歩です。

時間をかけずにできる準備こそ、後悔のないパンフレット制作の最大の武器。
まずは、1枚の目的設定シートから始めてみませんか?

この記事の監修

ブランディング・ディレクター 豊田 善久
1979年生まれ、東京都出身。学校卒業後、印刷会社で現場を経験。広告代理店勤務を経てブランディング会社であるパドルデザインカンパニー勤務。病院、クリニック、介護施設、訪問サービスなど、医療・介護業界のホームページ制作やパンフレット、リーフレット、動画制作などに多数携わる。あらゆる業種・業界への企画提案経験をもとにお役立ち情報を発信しています。

東京港区のブランディングカンパニー

パドルデザインカンパニーは、5職種で編成されたブランディングカンパニー。ブランドコンサルティングとデザイン会社の両側面を持ち合わせ、クライアントの課題に実直に向き合います。南青山に構える本社を主な拠点に、東京・神奈川・千葉・埼玉の13件を中心に、北海道から沖縄まで全国対応可能です。