「まず読むだけでも安心できた」そんなリーフレットが求められている
精神科・心療内科への受診は、どの診療科よりも心理的ハードルが高いと言われます。
「こんなことで行っていいのか」「人に知られたくない」「自分でもうまく説明できない」──
そうした“来院前の不安”に寄り添うリーフレットこそが、行動の一歩を支える存在になります。
本記事では、読むだけで“少し楽になる・気持ちが軽くなる”リーフレット設計の考え方と工夫をお伝えします。
精神科・心療内科リーフレットに必要な3つの配慮
01.“安心ワード”をちりばめるコピー設計
・例1:「こんなこと、相談してもいいのかな?と思うことからで大丈夫です」
・例2:「あなたの言葉で、うまく伝えられなくても大丈夫」
→ 不安や緊張に寄り添う言葉で始まるだけで、読む姿勢がやわらぎます
02.“自分の状態”を確認できる構成
・チェックリスト形式や「よくある症状」紹介を入れると、“自分のことかもしれない”と気づく手助けに
・例:「眠れない日が続いている」「些細なことで涙が出る」「人と話すのがつらい」
03.“人”を感じられる要素を入れる
・院長やカウンセラーのやさしい言葉/診察室の写真/スタッフ紹介など
→ 無機質な情報よりも、“人柄”が伝わると、「相談できそう」と思いやすくなる
構成例|三つ折りリーフレット(心療内科)
▢表紙(1面)
・タイトル:「最近、ちょっとしんどいなと感じているあなたへ」
・ビジュアル:自然・空・光など穏やかな写真/抽象的な安心感を
・コピー:「誰かに話すだけで、少し軽くなることもあります」
▢中面1〜3(展開面)
・① “よくあるお悩み”リスト
→ 眠れない/緊張が続く/息苦しい/涙が止まらない など
・② 診療の流れ(初診時の対応/話す内容/かかる時間)
・③ よくある質問と回答(予約制?どんな話をするの?プライバシーは?)
▢裏面
・診療時間/電話番号/予約方法/LINE相談の導線
・「話すのが不安な方は、メモをお持ちいただいても大丈夫です」など、初診前の気づかいコメントを入れると効果的
リーフレット制作のよくある課題と改善のヒント
・「文章が堅くて読みづらい」
→ 医療的な説明よりも、“語りかけるような文章”に。話しかける口調に変えるだけで読みやすさが向上する
・「症状名や診断ばかりで、自分に当てはまるかわからない」
→ 診断名ではなく、“感じていること・日常の困りごと”ベースの表現に変えると共感を得やすい
・「院内写真や人物が出ておらず、無機質に感じる」
→ 人の顔(イラストでも可)や、実際の診察室・受付の写真が入ると、相談先としての温度感がぐっと上がる
まとめ:“相談してもいいかも”と思える一歩目になるリーフレットを
精神科・心療内科のリーフレットには、専門性よりも“やさしさと安心”を届ける設計が求められます。
「読んでみて、ちょっと楽になった」「行ってもいいかもと思えた」──
そんな声につながるリーフレットは、決して特別な表現ではなく、目線を下げた言葉とやわらかいトーンの積み重ねから生まれます。
“読むだけで安心できる”リーフレットの力を、どうか大切に育てていってください。
この記事の監修
ブランディング・ディレクター 豊田 善久
1979年生まれ、東京都出身。学校卒業後、印刷会社で現場を経験。広告代理店勤務を経てブランディング会社であるパドルデザインカンパニー勤務。病院、クリニック、介護施設、訪問サービスなど、医療・介護業界のホームページ制作やパンフレット、リーフレット、動画制作などに多数携わる。あらゆる業種・業界への企画提案経験をもとにお役立ち情報を発信しています。
東京港区のブランディングカンパニー
パドルデザインカンパニーは、5職種で編成されたブランディングカンパニー。ブランドコンサルティングとデザイン会社の両側面を持ち合わせ、クライアントの課題に実直に向き合います。南青山に構える本社を主な拠点に、東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3件を中心に、北海道から沖縄まで全国対応可能です。